脳が溶けました「Capricciosa!!」-心のままに-

【2022-11-20】
LIVE配信感想

ハイロー5チーム勢ぞろいの「HIGHER GROUND」でテンションぶち上がった状態のままになだれ込んだショー「Capricciosa!!」も楽しかった~。

劇場で観た時は興奮のあまり脳みそが溶けてな~んにも思い出せなくなったのですが大千穐楽LIVE配信でじっくり楽しみました。

復活祭 Pasqua

幕開き、美しいコーラスの後まばゆいライトが照らされると銀橋にも舞台にも真っ赤な衣装に身を包む美男美女がずらり!

赤の洪水ですよ!赤!

もう闘牛場の牛にでもなったみたいに一気にボルテージが上がりましたっけ。

銀橋センターのキキちゃん(芹香斗亜)がひとり落ち着いたグリーンの衣装なのも素敵。

で、男役は全員サングラス着用!

しかもそのサングラスをちょっとずらしてガン飛ばしてなかった?

く、く、く、くああぁぁぁっこいぃぃぃぃー!

もしかしたら原作「HiGH&LOW」ファンの方もお好きな世界観じゃないかしら?すごくいい組み合わせだわ。

たとえ初観劇でショー初体験だとしても、これでつかみはOK!

後ろの幕?が開くと背中を客席に見せて寝そべったかのちゃん(潤花)、その背後に立つゆりか氏(真風涼帆)はハットにスーツ!

かのちゃんの背中のラインが美しいわ~。大好き!

衣装はかのちゃんが深い緑、ゆりか氏は白っていうことで全部合わせるとイタリアの国旗なのか。なるほど!

LIVE配信で改めてよく見たら、ゆりか氏のスーツはピンストライプでした。イタリアの伊達男ね~。

冒頭の歌い継ぎもすっごく盛り上がる。

配信ではもえこちゃん(瑠風輝)の両サイドで踊るのがなるくん(泉堂成)、りりちゃん(大路りせ)ということに気がついてびっくり!

男役が美しいピラミッドを作っている宙組。次なる若手も続々です。

曲調がしっとりと変化するところはじゅりちゃん(天彩峰里)、こってぃ(鷹翔千空)のデュエットで。

そういえば同じく藤井先生作品で蘭寿さん主演のラテンショー「CONGA」のプロローグでもこういうパートあったっけ。

アダルトな色気が漂うダイモン(望海風斗)、くみちゃん(芽吹幸奈)の織りなすハーモニーが大好きだった。

じゅりちゃん&こってぃも、あの時のダイモン&くみちゃんのようにしっとり、いやもはやねっとりといってもいいくらい大人っぽい。素晴らしい!

挙句の果てには男役銀橋勢ぞろいで「カプリチョーザ カプリチョーザ カプリチョーーーザーーー!」ですよ!

ジャケットプレイのクサさ、巻き舌のくどさ。

1980年代後半から90年代に第一次宝塚ファン時代を過ごした私はこういうのが大大大好物なのさっ!

と、その時、濃ゆ~いお姿がふと脳裏によぎった。

んんん~~~?これってもしかして…みきちゃん?

ヤンさん(安寿ミラ)時代の大好きだったショー「ラ・ノーバ」でみきちゃん(真矢みき)が歌ってた曲だわ!

うわぁ~堪んない!好き好き大好き!

男役×男役のところは下手側席だったのでちょうど正面のどってぃ(真名瀬みら)×よねくん(雪輝れんや)をガン見してました。

どってぃの気だるげな色気。よねくんの精悍な眼差し。

ふたりともいつの間にやらこんなに男っぷりを上げて~。

恋の街ナポリ

このシーン一番好き!

ちょっと酒井先生のレビューを思わせるシックな色合いの衣装が素敵です。

かのちゃんが銀橋で歌う間、娘役さんだけの群舞がしっかりあるのもいいわ!

ここはさーちゃん(春乃さくら)に釘付けでした。

背中の使い方とか腕の持っていき方になんとも言えないニュアンスがあるの。

ただ踊るっていうんじゃなくって物語を感じるというか。清純でもあり色っぽくもあり。とにかくとってもイイ女なのだ。

男女ペアで踊る時組むのがこってぃなのも、最近こってぃがお気に入りとなった私にとって嬉しかった。

パワフルに歌うのはじゅりちゃん(天彩峰里)。

大人っぽい美しさの宙娘たちがいっぱいで幸せだな~。

そしてこの場面でキキちゃんとかのちゃんが恋人同士として組んで踊るのがすごく嬉しかった。

私はかのちゃん雪組時代からこのコンビが生まれることを密かに願っていたのだよ。

その夢は実現しそうで結局実現しないことになったけれど、ここで観ることが出来たわ。

ゆりか氏の大きな包容力で幸せそうに踊るかのちゃんももちろん好きだけれど、キキちゃんと一緒に踊るときのいたずらっぽい眼差しも魅力的。

うん。私は満足じゃよ。夢がかなった。

水の都ヴェネツィア

下手から登場した柔らかな布と一体化してしなやかに舞うダンサーがものすごく美しくて誰だろう?ってオペラを向けたらやっぱりあきも(秋音光)でした。

哀しいような、誘い込むような、そんな表情をたたえた切れ長の瞳も美しい。

そういえばLIVE配信を見ててプロローグの銀橋男役勢ぞろいの時だったかな?身を翻す時の体の残し方に余韻がある人がいて、誰だろうって思ったらあきもだったんだ。

よくダンスを表す表現でキレキレとかバキバキとか使うけれど、あきものダンスにはそういうのとは一線を画するような雰囲気があってすごく心惹かれます。

歌うゴンドリエール♪もえこちゃんの伸びやかな声も気持ちいい。

ゴンドラに乗っている幻想的な美女はずんちゃん(桜木みなと)!

海洋都市ベネチアの運河はそれほど深くは無いだろうけれど、共に踊るゆりか氏を水底に誘い込むセイレーンのようにも思えます。

ずんちゃんの淡いブルーのドレスが翻った時に見えるスカートの内側が結構禍々しい感じの濃い赤い色なんだよね。

美しく見えてどことなく不穏なダンスシーンでクラシカルな「エリーゼのために」の曲調が「キッスは目にして」風のアップテンポに変化するのが面白いな。

プログラムを見たらずんちゃんの役名はセイレーンではなくカピトベーネだった。

その昔イタリア旅行のためにラジオ講座を1年位聞いてたことがあるのですが、Ho capito(オ・カピート)もVa bene(ヴァ・ベーネ)も了解!いいよ!みたいなニュアンスだったかと。

カピト・ベーネ?

意外とごきげんな名前なの?これはもしかしてハッピーエンドなのかしらん。

花の都フレンツェ

銀橋に登場するのはレオナルド・ダ・ヴィンチ♪しどりゅー(紫藤りゅう)、ミケランジェロ♪あーちゃん(留衣蒔世)、ラファエロ♪こってぃ

美しいモデルたち(栞菜ひまり・愛未サラ・山吹ひばり)を連れています。三美神だ。

長いおみ足をチラつかせたギリシャ風の衣装は開放的で健康的。

そして、これでもかっていうくらいの超ドデカい美声でロングトーンを響かせるあーちゃん。

笑っちゃうほど素晴らしい!

千穐楽LIVE配信ではあーちゃんとペアを組んでるブキちゃん(山吹ひばり)も一瞬どうすれば良いのかちょっぴり戸惑っちゃうほどのエンターテイナーっぷりでした。

カンツォーネメドレーの中詰で踊る男役ラテン衣装の袖のフリルが螺旋状なのがお洒落だわ~。

フリルが幾重にも段々になっているコテコテにボリューミーな袖じゃないところが今の大人っぽい宙組に合ってる。

白い衣装のエイトシャルマンがいるのも好き!どうやら全員男役のよう。脚なっが~~~。

ここで宙組106期で気になる男役のあんくん(鳳城のあん)を発見しました。

腰からヒップにかけてコケティッシュなラインを出すような踊り方が魅力的。

羽つきダルマのエイトシャルマンにピッタリのニュアンスの付け方です。この子、舞台センスいいなぁ。

そして3組のデュエットダンス!

ゆりか氏&かのちゃん。

キキちゃん&じゅりちゃん。

病弱だったお芝居とは打って変わってショーでは元気いっぱいのずんちゃんとペアを組むのがひろこちゃん(水音志保)!

元気が良すぎるあまりちょっぴり暴れん坊風味のずんちゃんと対象的に凛とクールなひろこちゃん。ふふふ、この組合せ好きです。

ひろこちゃんの活躍の場が広がって嬉しいよ。

りっつ(若翔りつ)&ひいろちゃん(朝木陽彩)の歌がまた素晴らしいのだ。

りっつの高音に上がっていくところではあまりの見事さに突然涙がこぼれました。

ネバセイの市長にもずいぶん泣かされたのですが、まぁあれは物語の中の緊迫感もあって心が震えるのは自然だけど、こういうショーの楽しい場面で普通泣く?

どうやらりっつの歌声には私の琴線を激しくかき鳴らす何かが含まれているよう。

次作は1本物だけれど、どうかりっつの歌が聞けますように。

ロケットセンターはゆいなちゃん(優希しおん)!

ねぇイタリアン・フェッテってあんなに足高く上がるもんなの?びっくりした。

その後のぐるぐる回るフェッテでは腕を交互に上げる振りまでついていて、あれでバランス取れるなんて信じられない!すごい技術!

芸術の都ミラノ

スカラ座の桟敷席でオペラ見物をする美しい二人。

舞台では中世風の衣装を着たオペラ座の団員たちが舞踏会のシーンを繰り広げています。

ここで歌われているのは名曲「Catari Catari」。たしかフィギュアスケートとかでも使われたことあるよね。

この曲はターコさん(麻実れい)サヨナラ公演「はばたけ黄金の翼よ」のフィナーレでとんちゃん(毬谷友子)が歌ってて知りました。

日本物の舞踊ショーの後にお芝居だったからフィナーレが付いてたのよ。

大階段の娘役さんたちは白いドレスだったな。割と最近でもあのドレス使われてるの見たことある。

その中をターコさんが燕尾でゆったり降りてくるの。

当時とんちゃんの真似して…といっても、とてもじゃないけど真似は出来なかったけど毎日歌ってた大好きな曲なんです。

それをさーちゃんの清らかな声で再び聴けるなんて嬉しい!

ずんちゃんも余裕の歌声。いかにもオペラ座の人気スターって感じ。

桟敷席に座る貴族のキキちゃんと美しい想い人かのちゃんはまるでヴィスコンティの映画のようにクラシカルで高貴だわ。

愛するがゆえの苦悩をたたえたキキちゃんの表情にギュッと心をつかまれました。

それは利己的な独占欲とかではなくて、いつか彼女を失うかもしれないという畏れのように思えます。

その狂おしいほどの恋心をぐっとこらえられる大人の男ではあるのだけれど、一瞬抑制が効かなくなってかのちゃんの手に口づけをしてしまうところが好き。

そこに現れる吟遊詩人のような扮装のゆりか氏。

彼こそが彼女の運命の人なのか。

三者三様の複雑な想いが交錯するダンスシーンは大人の魅力の三人だからこそ表現できる世界観です。

キキちゃんが悪役の恋敵ではないところがまた良いの。

愛する人を託するゆりか氏も切なくて美しくて。

抑制する愛って大好物なんですよ~~。

ひたすら酔いしれました。

官能の町ローマ

「アリベデルチ・ローマ」は「ODYSSEY」を思い出すなぁ。

薄紫のコートを身にまとった宙組生たちの総踊り。

退団者のダンスにもぐっとくるけれど退団発表がされた今、ゆりか氏の歌がね。もう泣いちゃう。

そうなんだね。この体制でのショーはもう無いんだね。

宙組のショーがあまりにも楽しすぎて、それがすごくつらいよ。

それでも心強いキラキラの宙男たちによる銀橋歌唱は再びみきちゃんの曲だよ~~~~!

いやぁ~盛り上がるわ!

カルネヴァレ謝肉祭

しかし、さっきショーが始まったばかりなのにもうフィナーレ大階段なのおかしくない?

2秒くらいしか経ってないよ。絶対時空が歪んでるわ。

大階段センターのキキちゃんの周りを囲むのは赤と黒のドレスに身を包んだ娘役さん。低い位置のシニョンって大人っぽくて大好き。

女言葉の歌詞の「ミ・アモーレ」を歌うキキちゃんすごく色っぽい。

続く男役群舞はひたすらカッコいい!

とはいえもはや脳が完全に溶けているので、フィナーレの記憶は完全に飛んでおります。

とにかくかっこよかった!語彙喪失!

いつも思うのだけど宙組デュエットダンスの衣装って色合いもデザインもシックでエレガントよね。ホント素敵だなぁ。

かのちゃんの肩甲骨が美しい~大好き~と見惚れたことは覚えているわ。

キキちゃんが歌った「ミ・アモーレ」をじゅりちゃんが歌い継ぐのもかっこよかった。

じゅりちゃん今回歌いまくりで、しかもどの歌唱にも圧倒されました。

ついにグランドフィナーレとなってしまう。

やや照明が落とされた中でスタンバイする階段飾りの下級生の真ん中に立つシンプルなシルエットは男役さんですね。

照明が明るくなるとそこには太陽のような笑顔のあーちゃんが!

軽~くこなれた感じで歌い始めているのにもう響き渡るあーちゃんの美声!からのロングトーン!

う、わ~~~~!なんて気持ちがいいいの!

あーちゃん。宝塚の宝よ。

こんなふうにオペラ張りの大声量もすごいけれど、芝居における歌も胸に滲みたよね。

特に「夢千鳥」での歌唱には泣かされた。さり気なく、柔らかい声の中にもしっかり想いを載せられる人。

たとえ別の劇場であっても再び宝となることでしょう。活躍を待ってるよ!

そして宙組のショーでいつもびっくりするのは大階段のてっぺんでスタンバイするゆりか氏のシルエットなのよ。

大羽根の位置が明らかに違う。

そんなところまで届きます?っていうくらいの高さ。まさに劇場全てを支配するような威風堂々たるシルエットです。

華やかな笑顔で階段を降りるかのちゃんも見たいんだけど、劇場ではついついスタンバイするゆりか氏を観てしまう。そしていつも新鮮に驚いてしまう。

あー終わっちゃうのねショー。

一抹の寂しさを感じながら下手花道までオペラを巡らせると、三白眼を効かせフッとニヒルな笑みを浮かべた男役が!

りりちゃん?

あの可愛い苺トリオだったりりちゃん?

ハツラツ笑顔のしゃかりき下級生ゾーンのなかで、まるで男役10年のキャリアを積んだかような抜け感にドキドキ!

いやいやいや、最後まで一瞬たりとも気が抜けない心臓バクバクなショーだったよ。

劇場1回、LIVE配信1回でしたが、中身が濃くってたった2回とは思えないほどの充実感を味わいました。

次は3分割。そして007ですね。

サヨナラ公演はチケット激戦で観に行けないような気もするけれど、どんなジェームス・ボンド&ボンドガールとなるのかしら。もはや期待しかないです。

そしてキキちゃんの悪役(かな?)はさすがに見納めかもなので(いや、ダークヒーローとか見たい気もするが)とにかくめちゃくちゃ楽しみにしてます。

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