LIVE配信いろいろ2「夢現の先に」

【2023-1-16】
LIVE配信感想

先月に見たLIVE配信の思い出し感想第2弾です。

「夢現(ゆめうつつ)の先に」

生駒怜子先生バウデビュー作。

平日でしたが年休とって配信を見ました。

星組観劇の予定が中止となってしまって、それで年休取得の日程をずらしたというわけなんですが…うぅぅぅ。

でも見ることが出来てよかった!

とにかく「僕」♪こってぃ(鷹翔千空)が現実世界でも夢の中でも可愛いが過ぎる!

ショーなどで見せる色気ある舞台姿からはちょっと想像できないのだけれど、スカステの番組などではとんでもなくシャイで可愛いこってぃの素に近いような気がします。

とにかく1幕はムズムズキュンキュンのあまり見ていてムヒムヒ笑いが止まらないという状態。

1幕終わりで「彼女」♪ぶきちゃん(山吹ひばり)との恋も実ってめでたしめでたし。

おや、2幕はどうなるのかしら?

2幕では夢の中で出会う「彼」♪キョロちゃん(亜音有星)の衣装が少しずつがんじがらめになっていって、表情も暗くなっていくのがツライ。

そうか~。これはかわいい恋のお話し…ではなかったのだね。

「僕」と「彼」の繊細な物語に2幕はボロ泣きでした。

こってぃの歌にはすごく心揺さぶられます。

単に上手いだけじゃなくセリフだけでは言い尽くせない心情のほとばしりになっているのが素晴らしい!

そしてキョロちゃんが演じる「彼」は事故で10年間眠っていて身体は成長しててても心はまだ10歳くらいの少年だったのかしら。

そんな小さな「彼」が「僕」からもらった勇気によってほんの一歩を踏み出すまでの物語。

目醒めた「彼」がこの先に立ち向かわなければならない試練を想像すればけっして手放しでハッピーエンドとは言えないのかもしれないけれど、見終わったあと温かい気持ちになれました。

手島恭子先生の作るメロディも優しくてとても心地よかった。

羊さん♪かりんさん(花菱りず)、たっくん(澄風なぎ)も可愛くってうまくって、現実世界の「彼」の父母と二役というのが泣ける。

羊のメロ♪なるくん(泉堂成)は物語を動かすキーマンとなるとてもいい役。

末っ子っぽいなるくん羊だけが「彼」が現実世界で元気に走り回っている頃を知っていたのね。

だから今の「彼」が夢の中ではしゃぐ姿が本当の楽しさからでは無いこともわかっている。

その幼い心と体ではとても解決できないほどの問題をどうすればいいのか必死に考える表情が健気で愛おしかった。

セリフがちょっぴりはっきりせずオバちゃんの耳には聞き取れないところがいくつかあったんだけれど、多分発声の問題かな。ここは課題かも。がんばれー。

現実世界の花屋の面々の程よい距離感もとても今どきな感じで好きでした。

りせくん(大路りせ)は口跡も芝居も良いのね。ダンスのセンスもいいし、なかなかの逸材ではないですか!

好きな「彼女」にいっこうに気持ちを伝えられない純情具合は僕以上。いいやつだ~。

是非新人公演主演を!って思ってたら今日出ましたね。嬉しい。おめでとう!

ひいろちゃん(朝木陽彩)はわりとズケズケ人の心をえぐってくるんだけれど、明るくって憎めなくってとってもチャーミング。

表情がファニーでいつもどこにいるか探して注目しちゃう人でした。

シャーロック・ホームズのメガネの浮浪児もちょっぴり挙動不審なところが可愛かったな。

もっと見たかったしその美しい歌声をずっと聴きたかった。これで卒業は本当に寂しいよ。

そして花屋の店長♪なっつ(秋奈るい)はなんと今回最上級生。

終演後のご挨拶も的確で冷静。次期副組長就任も発表された今、なるほどと納得しました。

とにかく出演者みんなセリフの掛け合いも小気味よく、その役の心情もじーんと伝わってきて、若手中心のバウメンバーだけれどすごく上手い。

かなりメルヘンチックな設定でも意外にビターでお子様向けミュージカルな感じはありませんでした。

楽しい夢の世界にもふと不穏な空気が流れ、それも夢なればこそのシュールさのように思えます。

そんなシュールな物語であっても「僕」も「彼女」も周りを取り囲んでいる現実の人たちはもちろん夢の住人でさえけっして特別な人間(羊)ではなく、ごくごく普通のちいさな葛藤を胸に抱えているところが好き。

夢のなんとも言えない浮遊感と同時に誰もが経験するようなさりげない日常やそこから生まれる迷いが優しく丁寧に描かれていてとても繊細でした。

生駒先生の次作も宙組若手のこれからも楽しみだわ。

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