スカステ視聴記録
デビュー作「ヴァレンチノ」があまりにも素晴らしくってあの時は天才現る!と思った小池修一郎先生。
その後のバウ作品「蒼いくちづけ」も大劇場作品「アポロンの迷宮」「失われた楽園」もとっても面白かったわ。
そして海外ミュージカル潤色演出の手法で「エリザベート」という大金脈を掘り当て、いまや押しも押されもせぬ大演出家へと上り詰めたわけですが最近は1本ものの大作ばかり。
もう、2本立て公演の芝居とかキュッと引き締まった小粋な作品は作らないんでしょうかね~。
そんなわけで、宙組の「カステル・ミラージュ」や花組の「アデュー・マルセイユ」をスカステ録画観賞。
いったいどれくらいまで、こうゆう通常スタイルの前もの芝居を作っていたのかな?
なぜだか、どちらもアンダーグラウンド物だった。
アンダーグラウンド物といえば正塚先生を思い出しちゃうわ。
小池先生も割と書いているのかな~。
でも正塚先生はそういう裏社会の中であろうが、なかろうが、どう生きるべきなのかという、人としての矜持とか、人と人とのつながりみたいなものが描かれている気がする。
一方、小池先生だとその裏社会というシステムがどういうものなのかという事が描かれている。
裏社会といえども、会社員みたいにシガラミが色々あるのよ。ままならないのよ。という、社会と人とのつながりが、ひしひしと感じられるのよね~。
「カステル・ミラージュ」のタカコ(和央ようか)は死んで。「アデュー・マルセイユ」のオサ(春野寿美礼)は事件を解決してその世界を去っていく。
なんだかその姿に小池先生の密かな願望を感じるのは考え過ぎというものかしら?
予算や何やら色々制限はあったとしても心の中は自由に作品世界を広げることが出来た若手時代に比して、大演出家として確固たる地位を固めた今、逆に心に色々な制限があるんだろうか…(上には上の大御所も、まだいらっしゃるわけだしなぁ)
社会システムと自分とのつながりに、もがき苦しみ、
あぁぁぁ、いっその事、外に飛び出してーーーー
なんて叫びつつ?度々外部演出をしても、宝塚の座付き演出家であり続ける小池先生。(あくまで想像)
海外ミュージカルもいいけれど
一本物の大作もいいけれど、あの初演の「ヴァレンチノ」のような伸びやかな輝きをもう一度!!
と、思わずにはいられないわ。
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