郷愁と狂騒のパラレルワールド「出島小宇宙戦争」

【2020-05-24】
スカステ視聴記録

デビュー作「アイ・ラブ・アインシュタイン」がとても面白かった若い方の谷先生の3作目。

しかも大好きなちなつさん(鳳月杏)の月組凱旋外箱公演!

これはもう、絶対観たい!とチケット参戦したもののあえなく惨敗。

その上、千秋楽を待たずして公演中止にもみまわれ、もはや幻となってしまったのかと涙に暮れておりましたが収録してくれていたのですね。

しかも早々に放送決定!ありがとうスカステさん!

芝居が始まると柿色と緑と茶色の引幕が映しだされ、音楽はなぜか吉本新喜劇チック。

そこに、さちか姐さん(白雪さち花)、やす(佳城葵)、ぐっさん(春海ゆう)という、めっちゃ芸達者な方たちが前説よろしく盛り上げてくれます。楽し~~~。

おやや?さりげなーくありちゃん(暁千星)が端っこにいますね。

赤い隈取のゆりちゃん(紫門ゆりや)と青い隈取のうーちゃん(英かおと)も加わって何々?いったいどうなるの~~~~~。

と、なったところに逆光の紗幕から望遠鏡型バズーカ砲を担いだちなつがババーンと登場!

きゃ~~~~!!

くあぁぁぁっこいいぃぃぃぃぃ~~~~~!!

もう最初だけでも十分に元を取った気分。

音楽も好き!

どの曲ものりが良くてかっこいい。特に主題歌ラスト近くの高音まで上がっていくところが好き!さすがちなつ!

全曲ダウンロードするぅ!

装置も衣装も大好き!

奇抜だけどシャビーな色合いが優しくてどれも全部素敵!

お話は現在と過去が交錯しながら進んでいきます。

現在のカゲヤスちなつと過去の存在である師匠のタダタカ(パラレルワールド伊能忠敬ね)♪るうさん(光月るう)が時を超えて会話する。

過去のカゲヤス少年♪まおちゃん(蘭尚樹)と同期するようなシーンもあります。

過去と現在の交錯といえば、「壬生義士伝」や先日スカステ録画観賞した「A Fairy Tale」にもありましたね。

でもこの「出島小宇宙戦争」では過去と現在が交互に切り替わるとか過去の自分を端からただ見つめるとかじゃなく、パラレルワールド的に同時進行していく。

この演劇ならではの交錯の演出がとってもツボなのです。

どこかちょっと郷愁を誘う。懐かしさと切なさと悔恨が入り交じるあの甘酸っぱい感じ。

それが異世界の狂騒の中で描かれる。

あぁ~。好きかも~。

やっぱり好きなんだわ。ヤング谷先生の世界観。

お話自体は過去の2作品に比べるとよりエンターテイメントを意識してか痛快で軽めの仕上がりになってます。

相変わらず恋愛部分についてはあまり描かれないのは、探し求めている掴もうとしても掴みきれない正体のわからぬ美しい何か、というものが男女の恋愛ではないのかな?

いえ、るうさんとうみちゃん(海乃美月)の恋も、ちなつさんのうみちゃんに対するほのかな想いも素敵でしたけれど。

まぁとにかく、ちなつさんがとんでもなくかっこいいので、恋愛があろうがなかろうが、そんなこたぁど~~~でもいいです!

月をテーマにしたフィナーレも素敵!

デュエットダンスからの男役群舞!素晴らしい!

振付はKAORIaliveさんですね。相変わらずすごくかっこいいの!

ラストのキメの時に一瞬逆光になって顔が見えないのってちょっと珍しいパターンだと思うのだけれどここもすっごいカッコいい演出でした。

って、かっこいいしか感想書いてないわ〜。

だってめちゃくちゃかっこいいんだもん!

そうそう。気になる男役うーちゃん。

最初はへなちょこ子分なのかな?って思わせておきながら裏では脅迫まがいにありちゃんに詰め寄る。

二面性のあるなかなか面白い役。

うーちゃんって根っこがとても誠実に見えるから悪人を演じても真の悪人に見えないのよね。

もちろんこの役、自分自身を悪だとは思ってはないのですが。

目の表情が優しくて非情になりきれないちょっとぬるめの悪人ぶりがこの物語の雰囲気には合っていたかな。

上司のゆりちゃんもイイ味。

うーちゃんと逆転するようにキャラが、なんかえらそー→やっぱへなちょこ→最後は頼れる正義のイケメン!とさりげなく変化していくのが実にうまいなぁ。

おだちん(風間柚乃)のお耳とんがっちゃってるシーボルト。

なぜだかとってもマギー(星条海斗)でした。

いったいなんでそう思ったんだろう?顔も、声も、体型も何もかも違うのに。カラコンのせい?

こ〜んな感じに演じてみようかなぁっていう役作りの選択肢にマギーがいたんじゃないかしらん?と思うくらい押出しの強さがマギー。

前回の気弱なベルボーイと同じ人とはとても思えません。

とにかくその手慣れた芝居のうまさが突出しちゃうのね。器用すぎるのもちょっと考えものかしら。

もはや、おだちんの主演が見たいです。絶対主演が似合うと思う。

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