思いつれづれ
月組元トップ娘役のさくさく(美園さくら)が、この春から慶應義塾大学大学院に進学という記事が「産経新聞」のサイトに載っていました。
大学院進学っていうことは、宝塚在団中から通信制の大学で勉強をしていたってことですよね。
次から次へと上演される舞台。その前には1ヶ月以上にわたる稽古。
下級生は本公演が始まれば並行して新人公演の稽古だってあります。
その稽古は終演後から深夜にまで及ぶこともあると聞いたことがあります。
その上、娘役さんはアクセサリーも作らなければいけないし。
そんなただでさえ忙しいジェンヌさんが、たくさんの書物を読み、課題をこなし、最高学府の学問を続ける。
どんなに時間があったとしても足りないわ。
さくさくはスーパー頭脳明晰なお嬢さんであることは、なんとなく聞いたことはあったけれど、通信制ってきっと孤独だし、相当自分を律しなければ続けられることではありません。
でもそういえば、さくさくの舞台を観ててずっと不思議に思っていたことが一つあったのだよ。
彼女、歌唱力は高いのに、その歌の全部に過度のビブラートがかかっていました。
あれってかなり昔の娘役さんの歌い方です。
歌唱力が弱い人ならいざしらず、あれほどの素質があるなら、最近のミュージカルの主流のもっと自然なビブラートやまっすぐ声を飛ばすノンビブラートを身につけてもいいはずなのにどうしてだろう?って不思議だったのよね。
随分オールドファッションの声楽の先生についているのかなぁって思っていたんだけれど、そうじゃないのね。
さくさく、外部レッスンはもちろん、劇団レッスンすら出席することも出来なかったんじゃないだろうか?
だから入団前に身に着けた古臭いクラッシックボーカルの手法のままだったのかも。
それでも自らの才能とものすごい努力でいろんなことを乗り越えて魅力的な舞台姿を私達に見せてくれた。
しかもトップ娘役までのぼりつめ、そしてその責務を見事に果たすなんて本当にすごいわ。
タカラジェンヌはアスリートと似ています。
退団してからの人生のほうが長いわけですからセカンドキャリアを考えるのは大切。
とはいえ在団中にそれを考えるのは普通は出来ることじゃないし、むしろ在団中は24時間すべてを捧げてっていうくらいじゃないとトップになんてなれないです。
それを学問と芸事を両立させていたとは、びっくり。
真似したくたって誰もさくさくの真似は出来ないわ。
本当にオンリーワンの女性だなぁ。
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