懐かしの新人公演特集13

【2021-04-29】
スカステ視聴記録

観劇ブランクで失われた15年を取り戻すべく、引き続き懐かしの新人公演をぼちぼちとスカステ録画観賞中。タイトル/組/主演/作演出/新公担当演出として記録します。

「マリポーサの花」/雪/大湖せしる/正塚晴彦/稲葉太地

宝塚観劇を復活させて最初に観た雪組公演はロミジュリだったので、男役のせしこ(大湖せしる)はスカステでちらっとしか見た記憶がなかったのだ。

だから男役での芝居をこんなにがっつり見るのは初めて。

ニヒルなみずさん(水夏希)とはまた別の種類の大人っぽさと色気があった。

終盤のゲリラ戦のダンスではがっちりしたローヒールのワークブーツを履いて踊っているのがすごくかっこいい。

背は高いほうじゃないけれど身のこなしで十分男っぽく見える。

これだけ素敵な男役さんが上級生になって女役に転向というのはすごい決断だわ。

男だろうが女だろうが魅力的なのはさすがタカラジェンヌ。

咲ちゃん(彩風咲奈)が早くも3番手役。

冒頭の3人のダンスで上手から入ってきた途端、その素晴らしい等身バランスと踊り方ですぐに咲ちゃんだ!ってわかった。

芝居となると身のこなしはまだまだ女の子っぽいけれどセンスは悪くないしパッと華やか。

なるほどな~。こりゃ抜擢されるわけだ。

がおちゃん(香綾しずる)はりかさん(凰稀かなめ)演じた覆面捜査官の役。

もうすでにこの頃から描かれていない背後をさりげな~く感じさせる芝居がうまいんだよな~。

がおちゃんの芝居大好き。

「My dear New Orleans」/雪/真風涼帆/植田景子/上田久美子

ゆりか氏(真風涼帆)初主演!

幕開き、奥の扉から入ってきた白いロングコートにハット姿があまりにカッコよくって思わずキャーって声が出た。

とはいえね。歩いたり走ったりすると後ろ姿がこの段階ではまだまだ女の子。それにもちょっとびっくり。

だってゆりか氏って生まれたときから男役なんじゃないかと思うほど男っぽいじゃないですか?

だけどもちろん、そんなわけはなかったのだ。

「FLYING SAPA」の超絶かっこいいロングコート姿はやっぱり研鑽の賜物だったのね。

キキちゃん(芹香斗亜)はゆりか氏の弟。

くるくる天然パーマで無邪気な笑顔を振りまく姿にメロメロ。

もぉ~~~~なんなの?なんなの?この可愛さ!!

3歳位の超絶かわいい男の子の表情だわよ。

それが今や大人の色気をたたえ、胸にぐっと迫る絶唱を聴かせてくれる。

ふたりとも、ものすごい成長だわぁ。

「薔薇に降る雨」/宙/七海ひろき/正塚晴彦/田渕大輔

ついに来ました!かいちゃん(七海ひろき)主演!

芝居のできる人とそうでもない人の差が顕著になる正塚作品。

しかも繊細な男女の心理を描いたさりげない物語だからド派手オーラのタニ(大和悠河)の良さを活かせていない微妙な作品だったような記憶があったけれど、かいちゃんはとても良かった!

こういうナチュラルでちょっとしたくすぐりのある芝居がすごく似合っている。

かいちゃんってこれ以外に正塚作品出演してたっけ?

んん?ないの?

うわーもったいない。ぴったりだと思うのに~~~。

「アンダーライン」とか絶対似合う!

これはなつめさん(大浦みずき)のバウホール公演で思い出の作品だから気安く再演して欲しくはないけれど(まぁ。再演もしないだろうけど)かいちゃんだったら許せちゃうな。

「ロシアン・ブルー」/雪/蓮城まこと/大野拓史/大野拓史

この作品好きなのよ。

キング(蓮城まこと)は2度めの主演。

なんというか豚骨ラーメンのようにコッテリしたお顔立ち。

あんまり器用な感じではないけれど妙な可笑しみがあってこの作品にぴったりだった。

そうだ「仮面の男」でアラミスを演じてた人だね。なるほどなるほど。

あの三銃士もへんてこだったもんね~。

あゆっち(愛加あゆ)好きだわ~。

天然っていうのともちょっと違う、ちゃんとしてるんだけど頑張る方向がなんだか違っちゃっている女性の愛らしさをとても良く表現しててとってもチャーミング。

がおちゃん(香綾しずる)が最高!

がおちゃんの表情って大好き。

ちょっとシニカルで、表情を変化させる間がすごくよくって、くすっと笑える。

「仮面のメサイア」で新人公演主演してたのね。放送はなかったような。

あぁ~見たかったわ~。

「ラストプレイ」/月/明日海りお/正塚晴彦/正塚晴彦

みりおちゃん(明日海りお)と正塚作品って似合わないんじゃない?って見る前は思っててたけど意外に良かった。

正塚作品の繊細な部分がすごく伝わるし、歌も安定していてもうすっかり安心して見ることが出来るわ。

そしてちなつさん(鳳月杏)が最高だった!

老け役だけどとってもダンディで素敵。

終盤のコミカルな超展開が人の世の不可思議さとか滑稽さが感じられて結構好きなんだよね。

ちなつさんはコメディの間がとっても上手い!大真面目!なのに可笑しい!さすがだわ~。

たまきち(珠城りょう)は早くも二番手。

見事な体躯だし、この学年にしては芝居もしっかりしてる。

なるほどな~。こりゃ抜擢されるわけだ。

それに歌も高い部分がちゃんと出てる。

なんで最近高音のピッチが下がっちゃったんだろう。こんなに出来ていたのに。

やっぱ公演期間中にただ一度の新人公演と主演として連日公演することは違うのかなぁ。

「カサブランカ」/宙/凪七瑠海/小池秀一郎/小柳奈穂子

カチャ(凪七瑠海)初主演!

これまでも常に二枚目の良い役を新人公演で演じてきたカチャだけれど主演は意外にも最終学年で1回きりだったのね。

まぁその間他組でエリザベートを演じたりしているけど。

それはそうとエリザベートの時は新人公演はどうしたんだろう?出演したのかな?

ハンフリー・ボガートにゆうひさん(大空祐飛)というニヒルでエレガントな大人の役。

この段階ではとんでもないハードルの高さでしょう。

1幕終わりの曲はブルースかな?大人の歌です。

メロディもリズムもニュアンスもむちゃくちゃ難しい歌だわ。

もちろん新人公演だしリックという大人の男が似合っているとは言えないんだけれど、逃げることなく真正面から高い目標にとりくんでいる感じ。

誰が見たって可愛らしいフェアリー系の容姿だからもしこの時「カサブランカ」じゃなく例えば「PUCK」だったりしたら、カチャの未来はどうなってただろう?って一瞬思っちゃった。

でもカチャはショーだと一貫して昭和のくっさ~い男役の熱さを追求してきたように思います。

好きなんだろうな~そういう男役が。

きっと「パックじゃなくてリック!」なんだろうな。

去年の「パッション・ダムール」の素晴らしさを見るとカチャが目指し、歩んできた男役の追求の道のりは遠回りで時間はかかったかもしれないけれど実に見事だわぁって思います。

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