「蒼穹の昴」新人公演 LIVE配信感想

【2022-12-08】
LIVE配信感想

忙しさにかまけてLIVE配信でみた「蒼穹の昴」新人公演の感想を書くのをすっかり忘れてた!

このままではすべてまるっと忘れてしまうわ。いやもうかなり記憶の彼方ではあるのだけれど…。ちょっとだけでも記録しておかなくっちゃ。

なんてったって主演は106期かせきょーくん(華世京)なんですもの!

遅れに遅れた初舞台公演を待つ間、ひたすら文化祭の録画を見続けた106期生。

この期は技術の基礎力がしっかりしているだけでなく、内面から溢れ出る表現力がとても高いと感じました。以来大好きで箱推しなのよ!

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各組新人公演でもそれぞれに頭角を現し、月組のまのんちゃん(花妃舞音)、雪組のまるこちゃん(華純沙那)は早くもヒロインを演じて、豊かな感性をみせてくれましたね。

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そしてついに106期の先頭をきって新人公演主演というスターの切符をつかんだのは、やっぱり首席入団、初詣ポスター選出のかせきょーくんです。

梁文秀♪かせきょーくん(華世京)

前回の「夢介千両みやげ」では2番手あーさ(朝美絢)の役を演じ、次は主演もありうるねと誰もが予想した通り、1本物のグランドロマンというこれ以上ない豪華な演目での初主演です。

とはいえ新人公演というのは未熟な若者が成長していくストーリーが一番演じやすいし、魅力が出やすいと思うんだよね。

文秀はスターオーラゆえに主役として成り立つ、どちらかと言えば受け身の辛抱役。研究科3年の初主演にはとても重く難しい演目です。

それがびっくり!最初の登場から最後のご挨拶までしっかりしてるし全く危なげがない。

立派な初主演でした。まさに科挙第一等を地で行くエリートだったわ。

まず、お化粧がとっても綺麗。

私、メイクのことは詳しくないし普段はあまり気づかないのだけれど、すごく似合っているなぁと見惚れました。

落ち着いたゴールド系?のシャドウも。きりりと美しいアイラインも知的でほんとに上手。

さきちゃん(彩風咲奈)に見てもらったりしたのかしら?

華やかでちょっぴりファニーなお顔立ちを活かしつつちゃんと大人の美青年。

背が高くお顔が小さくてスタイル抜群。満服もとても似合っていました。

1幕終わりの「昴よ」がまさかのカットだったのが本当に残念だったなぁ。

時間内にストーリーを破綻なくまとめるためには仕方ないとはいえこのソロは見せ場だし聞きたかったよ。

全体的にとても巧かった!なんの問題もナシ!将来トップになってもご挨拶まで安心!という記憶はあるけれど、この歌が無いゆえに胸が震えたっていう強烈な印象が薄かったかもしれません。

とはいえ、旅はまだ始まったばかり。

これからどんな役に巡り合うのか、どんな姿を見せてくれるのかとても楽しみです。

次の大劇場はさきちゃんの弟かしら~。

玲玲♪はばまいちゃん(音彩唯)

まさに鈴を転がすような声。歌も演技も手堅い。

しかしやっぱり子供から大人まで演じる玲玲は難役だわ。

きわちゃん(朝月希和)は成長に応じて細やかに声も姿勢も変えていたのだけれど、はばまいちゃんは子供時代も含めてすべてがタカラジェンヌの美しい背筋だった気がします。

お顔も姿勢も声も美しい天性のお姫様。玲玲としての説得力はちょっと欠け気味だったかもしれません。

もちろん誰にも真似ができないほど可憐な姫であることだって唯一無二の才能だもん。この個性はヒロインとしてけっして悪くはないわ。

とはいえ今回を含めこれまでの新人公演では王道の姫は演じてきていないのだ。意外~。

初ヒロインはシティー・ハンターで男の子に間違えられる香だし、前回の夢介も孤児三太の妹。ハリセンで弟をぶっ叩いてましたっけ。

劇団としては可憐な姫を極めることより、まずは演技の幅を広げてほしいのかしら。

次作外箱はデンマークの年若き王妃。姫であることも細やかな情感もどちらも必要とされそうな役。

これはいよいよ本領発揮となるのでは?期待しましょう。

春児♪いちかっち(一禾あお)

元気な少年だけど大人びた雰囲気が感じられました。

目的に向かって迷いなくまっすぐ突き進む感じ。とてもしっかりしている。

本役さんよりも大人っぽく感じられるって珍しいな。いやむしろあーさ(朝美絢)の子役がはまりすぎってことかしら。

しゃんたん(壮海はるま)の黒牡丹も師匠感が強く、香港映画好きの私には老師の特訓を受けるジャッキー・チェンの熱さが思い出されてなんだか懐かしかった。

もう少し運命に翻弄される心もとなさとか迷いみたいな繊細さが欲しかったかなぁ。

本役の王逸も堂々たる演技だったし、もっともっと出来るはず!って期待が高すぎちゃったのかもしれません。

とはいえ短いお稽古期間で京劇もこなし、なんの破綻もなく高いクオリティで演じきったのはさすがです。

新人公演はこれで卒業なのかしら。もう少し見たかった。

でもこれからは本公演でいよいよその真価を発揮できるのでは?って思ってますよ。

李鴻章♪さんちゃん(咲城けい)

星組での初主演を経て雪組に組替えのさんちゃん。

まだ遠慮があるのか本役の載沢ではセリフのやり取りの歯車がなんとなく食い違っていているように思えちゃったんだよね。

それは載沢の能天気さを表現したせいなのかもしれないけれど、もしかして芝居力が弱めなのかしらと、ちょっと判断が付きかねていました。

新人公演は台詞がやや滑るところに若さが出ていたもののとても落ち着いた演技だったわ。

おヒゲも似合っていたし、声もかちゃさん(凪七瑠海)にそっくり。

かっこよかった!

王逸♪よっしー(蒼波黎也)

これまで新人公演ではずっと圧のある悪役を演じていたし、今回の本役も阿片窟の商人というおどろおどろしい役どころでしたが新人公演では一転して好青年。

まぁ、びっくりの爽やかさとおおらかさ!

かすかに声が裏返るところもおそらく演技なんじゃないかしら?血気盛んな若さが表現されています。

こんな明るいよっしー見たことなかった。

上背があるので軍服姿も似合ってて、二枚目もいけるじゃん!

順桂♪のりぴー(紀城ゆりあ)

セリフの声が弱いかな~と思っていたら歌声の響きが素晴らしかった。

芝居もちゃんと上手いのだけれど、どこか爆発力がほしいかなぁ。

感情の起伏が見えにくい役というのは新人が演じるのにもっとも難しいと思うので、今回一番大変だった役だと思います。

次回に期待!

光緒帝♪めぐちゃん(聖海由侑)

少年以上青年未満の美しい皇帝。

西太后への孝が彼のアイデンティティなのだというくらい内から自然と滲み出る敬意と気品が感じられました。

まるで真綿にくるまれているような育ちの良さ。同時に自分でも気づかぬうちにその真綿で窒息している苦しさも。

新しい政治に対する理解も知性もありながら歴史の大きなうねりを前に為す術もなく押しつぶされていく姿は儚くて、なんというか文学的香気を感じました。「もののあはれ」って感じ。

青年ならではの性急さで事を進めてしまうあがち(縣千)の皇帝とは全く違うアプローチなのが面白かったわ。

歌がない役だったのは残念だけれど芝居にいつもオリジナリティがあるし、とても印象に残ったので次が楽しみ!

新公主演がきてもいいと思うよ。ぜひに!

西太后♪あやちゃん(夢白あや)

ある意味主役だったかも。

老残を嘆いていても圧倒的な美貌と威厳。

だから一歩間違えれば紫禁城に巣食う魔女となってしまうところなんだけれど、苦しさも切なさも感じられる人間西太后になっていたのは凄いと言うしか無い。

そうそう、黒牡丹の最期の時、西太后の目から涙が落ちるのを配信のカメラさんが捉えてましたね。

凛と厳しい表情はそのままで、ただ静かに一筋流れた涙の美しさに震えました。

ラスト・エンペラーならぬ、なんて言うんだ皇后って?ラスト・エンプレスか。

彼女主演で一本の映画を見てみたくなったわ。

みんな芝居力高し!

白太太♪アトムちゃん(愛羽あやね)はなんだか老け役多い気がするけれど、これだけ上手いとね。まかせたくなっちゃうのかもね。

康有為♪きっすい(希翠那音)は冒頭の梁家の家令からめちゃくちゃ達者だな~と思った人。

その後もちょいちょい映り込むのだけれど、いつもその場ならではの表情と動きでしばらく目が離せなかった。

康有為も演じていましたね。

にわさん(奏乃はると)のイっちゃってる感じも物語をわかりやすくするには的確であると思うけれど、切れ者感漂うきっすいの康有為のほうが私好みだったな。

載沢♪がーふー(風雅奏)、トーマス♪うっつー(絢斗しおん)、ミセス・チャン♪みちちゃん(愛陽みち)はカットされた部分を補うために狂言回し的な役割も担ってました。

うっつーは背も高いし華やかだったわ。

みちちゃんはさすがの口跡。

物語の説明役でもあるのでミステリアスな感じは薄かったけれど、意外にしっかり者のがーふーと二人、きちんと目的を果たす有能さ。

譚嗣同♪あさとくん(霧乃あさと)も毎度言っているけれどしみじみ上手いんだよ。

ラストの歌にも泣かされました

岡♪いせくん(苑利香輝)はまだ研1ですよね?

口跡も芝居力もびっくりするほどちゃんとして早くも完成している?

どことなくみっちゃん(北翔海莉)っぽいかも。

楽しみな人が続々で次の公演も楽しみだわ。

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