「ロック・オペラ モーツアルト」ライブ・ビューイング感想

【2019-12-14】
ライブビュ感想

初めてライブ・ビューイングなるものに行きました。

車で行ける一番近いとこでは上映してくれないし、初めて行く映画館まで遠征。降りたことない駅なもんで出る改札口間違えて映画館探してぐるぐるしちゃったよ。

上映前には日本語と広東話と普通話(中国語)で注意喚起のアナウンスが。

香港と台湾でも上映するんだね~。

香港映画大好きだったから歯切れの良い広東話の響きが懐かしい。

心晴れやかに宝塚を観ることができる日々がいつ来るんだろうか。少し切ない気持ち。

そして画面が劇場の映像に切り替わる。

お~~~!

黒地に金の緞帳が素敵!!

手前には満開の桜のアップ。

金色の塀に囲まれた空間には咲き誇る一本の桜の木が。

奥の塀の向こうにも桜と星空が広がる。

平面の布なのに遠近法ですごく奥行きが感じられる。

緻密で具象的な桜と抽象的な空間表現が静寂とともに華やかさも醸し出していてすごく美しい緞帳。

いいなぁ。行ってみたいな~。新しい劇場。

ま、チケット手に入りませんものね。映画館の大画面で見られるだけでもありがたいことだわ。

初めてのライブ・ビューイング。

自分の見たいところじゃないところがアップになるのは割と平気だったけれど音響がかなり辛かった。

私の見た映画館だけかもだけれど、音が大きすぎて耳の奥がキンキンしたよ。

劇場ももちろん音をスピーカーから流しているわけだけれど。

やっぱりそれと同時に生の音の空気の振動というか波動というか、それが空間を伝わって耳に届いていたんだわ。

でも映画館だとマイクで拾った音だけがダイレクトに耳に届く。しかも大音響で。

やっぱり舞台は生でみたいわ。当たり前だけど。

スカステならば家のテレビでのんびり宝塚が見れることがそれなりに楽しいけど、ライブ・ビューイングは辛い。多分もう行かないかも。

とはいえ舞台は素晴らしかった!

ことちゃん(礼真琴)すごいわ。

いや、すごいを通り越して凄まじかった!

なにせ天才モーツアルト、ひとときもじっとしていない。

動く。

まくしたてる。

そして歌う!

激しく、高音ですらそのままの熱量と声量でどこまでも上がっていく。

これが。

この人がこれからの星組を率いるのか。

ふと心に浮かんだのは

「虎に翼をつけて放たれり」

という言葉。大海人皇子のことだったっけ?

いや。もちろん今までだって常に素晴らしい実力をみせてきたことちゃんだけれど、さらにさらに徹底的に力を解き放った感があった。

この瞬間を画面越しとはいえ見られて嬉しかった!

鼓膜がなんだかまだ痛いけど見に行ったことに悔いはないです。

これからはこのスキルに合わせて星組生はともに前を、いや上を目指して行かないと行けないのだね。

ひっとん(舞空瞳)ならしっかりついていけるって信じているし、信じられる。

もっとも今回のコンスタンチェ。脚本演出的にはそれほどエキセントリックには描かれておらず、健気で可愛い女の子。

二人の想いがもっと熱くバチバチぶつかる芝居を期待してたので少々物足りなかったけれど。

彼女の魅力の爆発は1幕ラストのダンスに垣間見れたから次回作ではきっともっとたくさん観ることができると思う。

この舞台で魅力的だったのは娘役さん達。

なっちゃん(白妙なつ)、あんるちゃん(夢妃杏瑠)の美声!

はるこさん(音波みのり)のド迫力!

そして、なんといってもすごかったのがあいちゃん(小桜ほのか)!

芝居も歌も上手いって知ってたよ。

知ってはいたけれどそれ以上に素晴らしかった!

これほどまでの曲をまるまる歌えるのは海外ミュージカルの外箱公演ならではなのかもしれないけれど。

これからの星組公演でもしっかり活躍させてほしい。

お願いします!!

そしてサリエリのカチャ(凪七瑠海)

私、今までカチャの良さというものがあまりわからなかったのだけれど、今回とても良くわかった。

すごく魅力的だった。

古き良き宝塚の男役。それからねっとり感。

でもクレバーで上品だから悪役的な役割だけれどけっして卑屈ではない。

十分な実力を備えたこういう男役がいるからこそ、この海外ミュージカルが宝塚としても成り立ったのだと思う。

笑わぬ黒髪のサリエリも素敵だったけれど、フィナーレで一気にアッシュグレーの髪色となってバリバリ踊るカチャのかっこよさにおぉぉ~~とのけぞりました。

今後の星組。どう変わるんだろう。

ワクワクドキドキを通り越して、ちょっと恐ろしい気もするがめちゃめちゃ楽しみだ。

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