炎のスパニッシュショー「Gran Cantante!!」1

【2022-07-24】
観劇・LIVE配信感想

スパニッシュショーって大好きだ!

日本人なのになんでこんなに血が騒ぐんだろう?

というか私だけでなく日本人ってスパニッシュ好きよね。

スペイン語圏でもないのに巷にフラメンコ教室いっぱいあるし。

スパニッシュを観ながらお食事出来るレストランにも何度か行ったことあります。

なので血湧き肉躍るスパニッシュショーを宝塚でも観られるなんて最高でした!

ことちゃん(礼真琴)

「Gran Cantante!!」は本手のスパニッシュダンサーから見たらなんちゃってスペインかもしれないけれど、それだけ日本人にとってより馴染みやすい世界観となっていて本当に楽しかった!

特に中詰が宝塚で上演されたスペインを舞台にした芝居の主題歌のメドレーというのが嬉しかったわ。

「情熱のバルセロナ」
「誰がために鐘は鳴る」
「去りゆきし君がために」
「バレンシアの熱い花」
「哀しみのコルドバ」

って、これは寺田瀧雄祭りじゃないですか!

オールドファンにとっては血の一部ともなっているテラタキメロディ。

実際に劇場で舞台を観たのは「哀しみのコルドバ」だけですが、物語の激しさや哀しさを感じさせる懐かしい調べにのせ次々とスターが登場するのは圧巻でした。

なかでもことちゃんが歌う「炎の妖精」。

これは「炎の妖精」と呼ばれたジュンコさん(汀夏子)がさよなら公演「去りゆきし君がために」 の中で歌った曲だそう。

実は私、トップになってからのことちゃんを見るたびになぜだかジュンコさんのことが思い浮かんでいたんですよ。

ことちゃんとジュンコさんとは個性が違うと思うのに、なんでだろう。

あえて共通点をあげるとすれば、男役としては小柄で宝塚音楽学校を首席で卒業ってことくらいよね。

ただ踊るときのちょっとした表情の付け方がとても似ているような気がしたのです。

とにかくショーとなると、ことちゃんもまさに「炎」と称したくなるほどの気迫を感じる熱い、熱苦しい男役だわ!って感じてた。

いえジュンコさんの舞台、生では一度も観たことないのですが。見ていないからこそ脳内の勝手なイメージでそう思ったのかな。

でもここで「炎の妖精」を歌わせたってことは演出家の先生も同じ思いだったんじゃないかしら。

正直言って数年前まで(ガイズの頃かしら?)、ことちゃんはもちろんいずれはトップになるだろうけれども、宝塚で長く男役を極めるよりはミュージカルスターとして早々に外に飛び出したほうがいいんじゃないかしら?なーんて思っていました。

宝塚の男役というのはその表現に型や制約の多い特殊な世界だから、その枠を外れるほどの実力を持つことちゃんが強く長く宝塚を愛してくれるとはなんだか思えなかったの。

だからこんなにも宝塚の伝統の男臭さを体現できるトップスターになるとは全然予想していませんでした。

彼女は歌もダンスも飛び抜けた才能の持ち主だけれど、もともとは愛らしい童顔のフェアリータイプで男役として必ずしも何もかも恵まれているというわけではなかったのよね。

でもだからこそ誰よりもストイックに宝塚の男役の型を追求してきたんじゃないかしら。

そしてその追求の中には尊敬する柚希礼音だけでなく、さらにもっと昔の数々の先人たちもいたんだろうなぁ。

もちろんそういうクラシカルでエネルギッシュな伝統の男役像だけでなく、ことちゃんならではの凄みも見せてくれたのがこのショーの良さ。

特に後半の闘牛をモチーフにしたダンスが衝撃的でした。

あの場面、リズムどうなってるの?

めっちゃ変拍子だったように思うのだけれど。

リズム音痴だから訳わからなかったけれど、あのリズムで踊れるの凄いわ!

せおっち(瀬央ゆりあ)を始めとしたtoro(牛)達もよくぞ踊りこなしたと思う。

ことちゃん率いる星組だからこそ周りの男役たちのダンスもどんどん磨かれていくのね。

そしてGran Cantante(偉大なる歌い手)というだけあって、もちろん歌も素晴らしかった。

特にことちゃんとけいこさん(美穂圭子)とのデュエットが至福のひとときでした。

けいこさんが男役とデュエットって少なくともここ数年は覚えがない気がするなぁ。

「Sante!!」でマギーさん(星条海斗)とちょっぴりコメディな掛け合いがあったくらいかしら?

大抵はおひとりでたっぷりと歌うのが最近の常ですよね。

だってみほさんの丸く柔らかい、けれどもものすごく力強い声と対等に歌える人ってなかなか少ないと思うもん。けいこさんに負けない音圧が絶対必要!

ことちゃんとけいこさんの声が重なり合うなんて、もはや奇跡の瞬間だったわ。

終盤のアカペラの「Ombra mai fu」も圧巻だし、フィナーレでは耳に残るタイトルの繰り返しのメロディに合わせて、ひとりどこまでも伸びやかに上がっていくことちゃんの歌声にひたすら痺れました。

なこちゃん(舞空瞳)

今回はるこ様(音波みのり)追っかけるのに忙しくて~、なこちゃんはあんまり観れてなかったの。

ただ劇場で観た時に脚、特にスカートから覗いた足先の角度がちょっとあれれ?って感じたのですが、千秋楽のLIVE配信では気にならなかったので心配しなくてもいいのかな?

なにせ高速で高度なダンスが求められることちゃんの相手役ということで、さすがのなこちゃんも我々素人にはわからない苦労がたくさんあるのではないでしょうか。

どうか怪我なく、そして思い切り伸びやかに踊れますように。

せおっち(瀬央ゆりあ)

せおっちはNINJIN娘がとっても好きでした。

NINJIN娘たちの衣装って「ファンキー・サンシャイン」のお天気キャスターのダンスシーンのですよね。

あの場面大好きだったから鮮やかなオレンジと黄色のフリンジの衣装を見るだけで反射的にウキウキしちゃった。

明るく弾けるくらっち(有沙瞳)もとってもチャーミング。

せおっちのタテガミをイメージしたヘアスタイルもド派手な衣装も懐かしいトシちゃんの歌も全部シュールで、オモシロかっこよかった。

ショー全体を通しても、ちょっと風変わりなこのシーンのインパクトは強かったな。

プロローグ後のちょっぴりコメディタッチのパートを一場面しっかり任せられているってことは、せおっちががっつり二番手さんなんだって私は思っているよ!

さてさて、これでご卒業の大好きな方たちについてはなんだか長くなってきちゃったので、次回に。

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