スカステ視聴記録
各組若手勉強の場、
バウワークショップ第一弾は宙組。
1曲目「RENT」の「Seasons of Love」から、とにかくコーラスの上手さ、声の奥行きの深さにびっくりした。
私が宝塚を観ていない間に結成された宙組なので組の個性というものが、今ひとつピンとこないのだけれど。
どうもコーラスの宙組と呼ばれているらしい。
その命名も納得の素晴らしさ。
各組のキャッチフレーズと言えば20数年くらい前だと
類まれなるダンサーなつめさん(大浦みずき)続いてヤンさん(安寿ミラ)が率いたダンスの花組
コメディセンス抜群の真央さん(大地真央)、ゆりちゃん(天海祐希)や人間味あふれる芝居のうたこさん(剣幸)、ノンちゃん(久世星佳)がいた芝居の月組
宝塚で大石内蔵助が主役の忠臣蔵が出来るなんてと驚いた芝居も日本舞踊も得意なカリンチョ(杜けあき)率いる日本物の雪組
ねっしい(日向薫)、シメさん(紫苑ゆう)、まりこちゃん(麻路さき)という大型でド派手なスターが続いたコスチューム物の星組
こんな風に言われてたかな~。
(もちろん宙組はこの時まだ存在しない)
なんでまたスターの個性とは一見関係ないように思われるコーラスという縁の下の力持ち的特徴が宙組に生まれたのだろう?
ちょっと不思議な気がする。
なぜそうなったのかを知りたいわ。
しかしこんなにもコーラスが素晴らしい下級生でも舞台で一人で一曲まるまる歌わせてもらえる機会などまずない。
というわけで、このバウワークショップって歌の勉強の場であると同時に表現の実地訓練でもあり公開オーディションの意味合いもあるわよねぇ~。
いやぁ、そう考えたらなかなか怖いわ。こりゃ。
カラオケ採点システムなんかだと音程や音の長さ(「リズム感」とは少しニュアンスが違うと思う)の正確さを数値化して歌の上手い下手を判断しますが、そんなもので測れないのが舞台での歌唱。
私のヅカ友は音程に厳しい人が多いのだけど、私は絶対音感は持っていないし、けっして歌ウマさんとはいえないちょっと不安定な音程の歌でも実は結構平気なんだよね。へへ。
それより重視するのは
芝居心(口跡含む)>声の響き>リズム>音程
かなぁ~。
もっとも芝居心や声に響きがあるような人は大抵、音程もリズムも優秀だけれどね。
特に印象に残った人達をメモしておきます。
あーちゃん(留依蒔世)
声の響きの良さで言えばあーちゃん(留依蒔世)がダントツ。
もちろん歌も激ウマ。
せとぅ(瀬戸花まり)
娘役ならせとぅの声が好み。
声帯がピッタリ閉じられた息漏れのないクリアな声が好きなのだ。
息漏れをほどよく含んだ柔らかいファルセットのほうがコーラス向きだけど、エトワールとかソロナンバーだったら、こういう他の声と混じり合わない、強い声のほうが好きだわ。
そら(和希そら)
しかし芝居心という点では断然、そらだったなぁ。
思わず歌の世界に惹きこまれた。
もちろん声の響きも素敵でした。
全体評
冒頭、素晴らしいコーラスを聞かせた宙組メンバーだけあってほとんど全ての人が音程が丁寧で正確な歌ウマさんだった。
しかし昭和の濃いめの舞台を観てきたオバサンから見ると宙組って、随分とあっさりしているような気がする。
今流行の塩顔風味が組の個性?
ときおり結構熱い個性の人達も(そらくんとかあーちゃんとか)いるのだけれどね~。
全体的にいえば泥臭さが薄いから、スタイリッシュでそこが素敵なところでもあるのだけれど…
う~ん、なにか物足りない。
コーラスの感動に比べ一人ひとりの歌唱では意外にも「これは!!」と胸にグッとくる人が少なかったのは、この淡白な組の個性に加えコンサート方式の難しさもあったのかな?
芝居も役としての衣装もセリフもなく、いきなり歌唱のみだからね~。
歌に気持ちを持っていくのは難しいよな~。
実際にナマの舞台を観ることができればきっともっと感じ取れただろうけれど。
やっぱりテレビ視聴じゃホントのところはわからないよね。悲しい~。
たった一人で歌うということは、ひろい舞台空間や観客やテレビ画面の向こう側にいる人の心を、たった一人で満たさなきゃならないということなのね。
声で満たすか
想いで満たすか
リズムで満たすか
それは人それぞれではあるけれど。
ただ歌がうまいだけで出来ることではない。
実際に舞台で歌ってみなければわからないことだと思う。
「Bow Singing Workshop」いい企画だわ~。
他組の放送も楽しみ。
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