「HiGH&LOW -THE PREQUEL-」観劇感想

【2022-10-20】
観劇感想

すげー楽しかった!

と、思わず学生時代の友人LINEグループ(ヅカオタでもハイローオタでもでもない)にガラの悪いメッセージを送ってしてしまうほど略称「ザプ」こと 「HiGH&LOW -THE PREQUEL-」が楽しかったです。

ついこの前までLDHという名称すら知らず、もちろん「HiGH&LOW」も知らず、「FLY WITH ME」の配信で初めてその映像を見た時ですら、これはいったいなんじゃろね~といったノリだったにも関わらず…

その後出てきたキキちゃん(芹香斗亜)の謎の扮装がめちゃくちゃ刺さったのだわ。

たまたま宝塚のLIVE配信を楽天からdTVに変えた9月のラインナップにドラマのダイジェスト版映画の配信があることに気づき、おや?ちょいと覗いてみようかのぉ~ってな気になったのが運の尽き。

そこから通称「ザム」こと「HiGH&LOW -THE MOVIE-」1,2,3まで一気に見てしまった!

「ザム3」を見るころにはおなじみ「パーリータイム!」のセリフをロッキーと一緒にジャストタイミングでキメられるまでになったよ!

White Rascals

そしてついに劇場での観劇!

妙な執着心が見え隠れするロッキー♪キキちゃんにドキドキしました。

全身白の衣装に杖、ピンクの丸メガネ、赤い手袋に手錠!カッコいいんだかヘンテコなんだかよくわからない絶妙なライン。

でもSWORDの中では一番精神的に大人だし、有能な若き経営者でもあるわよね。ちょっぴり粘着質だけど。

その背景や人となりが詳しく描かれることはないのだけれど、それでもふと感じられる彼のやるせなさや翳り。そんな内面によって時に爆発する狂気すら魅力的。

対立するまかキキも共闘するまかキキもどちらも観ることが出来てとっても満足です。

二人が背中合わせになって敵に対峙する姿はやっぱり滾る!コレを観るだけでもチケット代お釣りがくるぜ。

さて、ロッキーのツッコミどころ満載の出で立ちをみてもわかるように「White Rascals」のメンバーってクールな参謀KOO♪ひなこちゃん(風色日向)を除いてみんなどっか大事なネジが緩んでる、というか若干ポンコツ風味なんだわ。そこも好き。

そもそも原作の手下4人組って実はゴールデンボンバーなんだもん。逃げたカナ♪かのちゃん(潤花)を追っかけて全然見つけられないのも納得よ。そんな原作の雰囲気もしっかり取り入れられて思わず笑顔になっちゃった。

クラブ・ヘブンが明るく健全だったことだけがちょっぴり不満かな~。

暗闇の中サスライトで浮かび上がるしなやかな女性ダンサーとか見たかった気もするけど。

ま、オープニングパーティーだからキラキラなのもいいか。

この先何度クラブ・ヘブンを破壊されようと不死鳥の様に蘇るロッキー!

そのスタート地点を若々しく美しくそしてどこかイっちゃってる最強のキキちゃんで観ることが出来てめちゃくちゃ感慨深かった!

RUDE BOYS

原作の何にそこまでハマったのかというと「RUDE BOYS」なんです。

まず無名街の造形が今は無き香港の治外法権「九龍城」みたいな猥雑さで大好き。

しかも工場萌えなので廃プラントがアクションの舞台となっていることに、うぉ~~と盛り上がりました。

ロケ地は横浜の昭和電工アルミナ工場だったのね。今はもうなくなっちゃったけれどグーグル・ストリートビューを過去に遡ると映画で見た錆びたプラントの姿をちょっぴり見ることができます。

そんな私にとって萌え萌えの場所でくりひろげられるパルクールのスゴ技を使いこなすRUDE BOYSのアクション。

共に走り抜けるような躍動感あるカメラワークは大好きな香港映画を思わせます。

調べたら映画のアクション監督の大内貴仁さんは香港でキャリアを積んだ方らしい。やっぱり!

かつての香港映画好きとしては久々に胸が高鳴りましたよ。

「RUN THIS TOWN」はSWORDのテーマ曲の中でも疾走感があって一番好き。

そうだ!宙を舞うRUDE BOYSの姿をいつでも見返せるように予告編のリンクを貼っておこうっと。

HiGH&LOW Special Trailer ♯4 「RUDE BOYS」

とはいえ、宝塚は舞台。しかも全員女性が演じる。

いくらなんでもあんなアクロバティックなことは出来ないよねと思っていたら…

RUDE BOYS登場のシーンでピーが!

ピーが飛んだ!

あれ飛んだよね!!

ゆいなちゃん(優希しおん)だ!

身体の可動域どうなっているんだ?って言うくらいのジャンプ!

タケシ♪あきも(秋音光)の寡黙でひたむきな瞳と切れ味がまさに原作通りで泣けてくる。あぁ、あきも大好き!

その後にも娘役さんが空中でトリプルアクセル?っていうくらいキリキリキリ!と空中で回転していて、あまりの速さにお顔もなんにも見えませんでしたよ。

幕間にTwitterで私の箱推し106期生、花咲美玖さんと教えていただきました。Twitterありがたいわ~。

フィギュアスケート経験者なんだそう。その場での垂直ジャンプなのに絶対2回転以上はしてましたよ。

RUDE BOYSのメンバー、みんなすごすぎる。

しかもラストの大乱闘では上手花道でとんでもないアクションが繰り広げられていたのだ!

股下高速スライディングから引き返して背中の上で一回転!みたいなやつ!

席が遠い上にあまりにも早わざで誰だったのかは不明ですが絶対タケシ♪あきもとピー♪ゆいなだと思います。

しかしあの凄いアクションが上手花道でなんてもったいない。見逃した観客多いんじゃないかしら?

って、ふと思ったのですが、尊敬するブロガーさんに「舞台上のスモーキー♪ずんちゃん(桜木みなと)とゲン♪まっぷー(松風輝)のにらみ合いから流れるように視線が花道に誘導された」と教えていただきました。

確かに!

私も下手側端席というとても遠い場所にいたのにも関わらず自然に上手花道のアクションに目がいったもの。

一見、大人数の無秩序な大乱闘に思えるけれど、そこはもちろん視線の誘導が計算されつくされているのね!

野口先生さすが緻密だ!(「ミライ演出家」のさまざまな野口を思い出すわ。)

そしてスモーキー♪ずんちゃん

これまでどちらかと言えばギラギラな役が多かったように思う元気印のずんちゃんがフッと消えてしまいそうなほど儚い。

はじめて見るずんちゃんが新鮮だった。

とはいえアクションシーンはさすがの切れ味!すごいなぁ~。

全方面なんでもこなせる。

頼もしすぎる。

鬼邪高校

普段は公演に合わせたコーデなんてしないんだけどなんだかやってみたくなっちゃったのよ。とはいえさすがにWhite Rascalsコーデはハードル高すぎる。

最近こってぃ(鷹翔千空)にも心惹かれるからここは鬼邪高概念コーデで!と決めました。

黒の長ラン風コートに縞のパーカーをインして劇場へ。古い人間だから生まれて初めてフードをアウターの下から出しましたよ。はずかし~。

もっとも屋内に入ったらコートを脱ぐので、ただのパーカーを着たカジュアルなおばちゃんになってしまった。うぅ。概念コーデって難しい。

村山♪こってぃは原作よりもスラリと背が高い感じだけれど、下から見上げるような姿勢と動きが完全に村山で盛り上がりました。

あのイカレ具合、大好きです。

といっても村山ってわりと素直で一番話が通じるところもあるんだよね。

こってぃの凄みがあるけれどもどこかチャーミングな個性が役と重なってとっても魅力的です。

著作権の関係で鬼邪高のテーマが使えなかったことだけが残念だったな。

やっぱりHiGH&LOW と音楽は切っても切り離せないものね。他のチームは全部使えたのに~。

せめて出だしの妙なファンファーレだけでも聞きたかった。ラップはちょっと苦手なんだけれどあのファンファーレだけはものすごく好きなのだ。

達磨一家

舞台演出と原作の音楽とが一番見事にハマってたのが達磨一家。

赤い番傘、轟く大太鼓、極彩色の花魁。

間奏に流れる「とーりゃんせ、とーりゃんせ」のメロディには血が沸騰したよ!

あのラップともメロディとも言えない難曲を歌いこなすも日向♪もえこちゃん(瑠風輝)すごい!

苦手と思っていたラップももえこちゃんの美声なら聞きやすくて全然平気。

しかしこれまでのフェアでスッキリとした青年のイメージを覆す凶悪な瞳に震えたわ。

もえこ~~~~。あんなに真面目だった子が~~~。

と、突如ヤンキーと化した息子を見るような思いでした。

もっとも日向ってある意味プリンス感あるのよ。自分じゃ車運転しないし。指定席はなぜかボンネットだけど~。

一家の末っ子四男が家業のテキ屋を継いでいるわけで、手下からしたら可愛い可愛いお坊ちゃんでもあるのかも。

その大事なお坊ちゃんをお守りする赤髪の加藤♪わんた(希峰かなた)と赤帽子の左京♪きんちゃん(凰海るの)がまるで映画から飛び出したような愚連隊でむしろ笑えてきた。

動きの輩感と重量感が凄まじい!素晴らしい!

山王連合会

ゆりか氏(真風涼帆)のコブラは最初のうちは原作の前日譚とは思えないほどの帝王感がありました。

でもカナ♪かのちゃん(潤花)とのやり取りが軽妙で、話が進むに連れてどんどん若々しく見えてくる。

どのシーンも素敵だったけれど、とりわけ浴衣姿にときめいたわ。

胸元から覗く黒いインナーに銀のチェーン。

近所の輩がそんな格好してたら「おめーら粋がるんじゃねー!」と思わず毒づきたくなる着物警察おばちゃんもあのカッコよさなら許せちゃうよ。

ちょっぴり不器用ながらもひたむきにカナの望みを叶えようとするゆりか氏の男気に惚れちゃう。

ここぞ!という時に流れる「HIGHER GROUND」でテンションぶち上がるし、しかもゆりか氏の醸し出す男の矜持に曲がすごくあっているのだ。

舞台を見終わる頃には、すんなり映画のコブラへと繋がっていく気がしてきました。なるほどね~。

原作のコブラにまで厚みが加わった気がするよ。それって前日譚としてパーフェクトってことじゃない?

山王メンバーもダンさん♪りっつ(若翔りつ)、テッツ♪キョロ(亜音有星)なんてもう映画のまんまやん!

ヤマト♪しどりゅー(紫藤りゅう)は線が細いからちょっとイメージ違うかなぁって思ってたけれど、あのトッポイ人の良さは正しくヤマトだわぁ。

そしてカニ男♪エイティ(波輝瑛斗)がまさにカニ男!

いやだいぶイケメンではあるけれど。カニ男までいるのね~~~とハイロースピンオフ映画「DTC湯けむり純情編」が大好きだから観ながら一人盛り上がっていた。

そして苺美瑠狂!

突然「STRAWBERRY サディスティック 」を踊るのが好き。やっぱ盛り上がる。

純子♪じゅりちゃん(天彩峰里)のツッパリ具合がいじらしくって愛しいよ。

怒ったじゅりちゃんは可愛い。

あっ!私プンスカすると魅力的になる娘役さんに弱いんだな。

そして明日香♪さらちゃん(花宮沙羅)は歌のイメージが強いけれど芝居もすごくうまいのね。

床屋ピューマでのヘアセットが愛らしいのに微妙にコレジャナイ感が面白くって、そういうニュアンスを醸し出せるのも芝居の上手さだと思うわ。

押上♪ニッキー(夢風咲也花)、芝♪サラ(愛未サラ)が明らかにツインタワーだったのも宙組娘役ならでは。

原作ではおにぎり作ったり偵察ばっかりで蚊帳の外だった苺美瑠狂がどりゃ~~~と舞台奥から乱入したときは心の中で快哉をあげましたよ。

苦邪組

みんな大好き!リン♪あーちゃん(留依蒔世)はビカビカの悪役。

白いエナメルシューズが眩しい。

今回SWORDという5組のチームを描かなければならない関係上、苦邪組の描写が思ったより少なかったかな。

とはいえ、あーちゃん十八番のパワフルでエネルギッシュな姿を堪能できました。

この後、九龍グループと死闘を繰り広げることとなるハイローシリーズですが、まず最初に現れた苦邪組はどことなくアットホームな感じなのもよいわ。

容赦ないけど意外に良きリーダーなのね、リンって。そんなところもあーちゃんと重なる。うぅぅ。退団しないで~。

手下たちがわりとポンコツ気味なのが楽しい。あ!バイフー姐さん♪おさよさん(小春乃さよ)は有能です。

手先に使うのはなぜだかレディースチームということで鉤爪で暴れるKIDA♪さーちゃん(春乃さくら)の優しいお顔で凶暴なところが最高です。

メンバーにましろくん(真白悠希)がいるのも、ちょうど「カルトワイン」の放送を見たあとだったからなんだか嬉しくなっちゃった。

ところで原作には劉という謎の美青年が出てくるのですが(演じるのは早乙女太一さん)あれ絶対、メイナンツー♪なるくん(泉堂成)のその後だ!って思ってます。

あんなにスンと澄まして親分の身の回りのお世話をしている少年だけど、ぜってー只者じゃあないって思ったもん!メイナンツーの正体が知りたければザム3を見てね。

ところでなるくん。鬼邪高校にも、RUDE BOYSにも、山王連合会にもいましたね。身体能力を活かして大忙し。

鬼邪高なるくんはメンズカチューシャで長めの前髪をオールバックに留めてて、なかなか目立ってたわ。

ラストまで盛り上がる!

アーケードの上の出てきちゃったカナとのやり取りもくすっと笑えたり、ジーンときたり。

切り返すゆりか氏の間が毎度ながら実にうまいの。

あそこで笑えるのってかのちゃんの明るいキャラももちろんだけれどゆりか氏のコメディセンスにかかっていると思う。

いつもの宝塚だったらいい感じにここで幕。となりそうだけれど、今回はこの後さらにSWORD勢ぞろいで盛り上がるのにもテンション上がりました。

もうこうなるとお祭りね。ハイロー祭り。

というわけで原作はドラマまでは手が回らなかったけれど、映画を見ておいて楽しさ100倍。サイコーにぶち上がった観劇でした。

しかし、まさかこの後さらに脳が溶けるほど盛り上がるショーが待っていたとは!

というわけで、ショーの感想は書けるのかしら?

千秋楽のLIVE配信を見たあとにもし正気でいられたらチャレンジしてみまーす。

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