瑠璃色恋しや「瑠璃色の刻」

【2019-06-29】
スカステ視聴記録

みやちゃん(美弥るりか)、れいこちゃん(月城かなと)が恋しくなって録画しておいた「瑠璃色の刻」をスカステ録画観賞。

旅役者が伝説の錬金術師サンジェルマン伯爵の名を騙ったことでフランス革命に巻き込まれていく物語。

身にまとう雰囲気も人格も何かに取り憑かれたように妖しさを増していくみやちゃんに釘付けであっ!という間に1幕が終わりました。

相棒のれいこは嘘に疲れ、たもとを分かつその生真面目さがとてもいい対比になっています。面白いわ~。

2幕冒頭のみやちゃんのソロダンスにおける葛藤の表現も見事!

フランス革命がしだいに狂気を帯びてくる話は好きなジャンルだし、さちか(白雪さち花)のマリー・アントワネットもとしちゃん(宇月颯)のロベスピエールも本当に素晴らしかった。

善良なれいこが革命の狂気に飲み込まれ、サンジェルマン伯爵として虚飾に生きたみやちゃんが最後には静かに運命を受け入れるという前半からの逆転の構造も面白い。

とはいえ、そこに至るまでの肝心のみやちゃんの見せ場が2幕になると圧倒的に足りないのよね。

サンジェルマンはどうなっていくの?どうするの?今どういう心情なの?ってお預けを食らったまま話が進んでしまった感じです。

1幕が終わる時にみやちゃんをあんなに妖しく変貌させておいて、2幕はほとんど蚊帳の外というのは特にスターシステムが顕著な宝塚の舞台としては欲求不満が残ります。

それでも終盤に静かにモリエールのセリフを交すみやちゃんとくらげちゃん(海乃美月)のシーンにはハッと胸をつかれました。

この二人は旅芸人として、昔はそういう言葉を交わしながらずっと寄り添って生きてきたのね。

そんな二人の絆がくだくだしい説明ではなく静かに描かれていて切なくて。ここはとてもいい脚本演出。

でも最終的な物語の決着点は…うーん、やっぱりこれじゃない気がする。

こんなふうにシニカルに切なく描いておきながら、悲劇でもなく、ハッピーエンド?とも言いきれない、なんだかものすごく曖昧な結末。

作演出は原田諒先生なのね。

ミュージカルシーンはうまいし、良質な作品ではあるのだけれど~。

スターを観に行く宝塚の作品としてはコレジャナイ感が微妙に漂う先生だなぁ。

たぶん帝劇とかクリエとかで観たら革命群像劇としてきっとすごく感動したと思う。

宝塚より外部向きなのかも。

あ、相変わらず装置が良かった。

城壁のような大きな階段がぐるりと半円状に舞台を囲んでいるセットが素晴らしい!

そして盆もないのにその階段が回る~~~。

ど、どうなってるの?盆ないよね。

よく見ると舞台中央の円形の台の円周部分にレールが切ってあって、そこに階段の端が載っているのね。

だからレールにそってぐるぐる階段が回る。

エンドクレジットで装置担当を確認したら松井るみさんでした。さすがだわ~。

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