野獣よりしなやかに「COOL BEAST」

【2021-07-06】
LIVE配信感想

子供の頃から宝塚ファンで大きくなったら花組に入るって信じていたというエピソードを持つ藤井大介先生。

そんな大の花組ファンだった藤井先生ならなつめさん(大浦みずき)のバウ公演「美しき野獣」も絶対観てますよね。

野獣といってもそこは都会的でスタイリッシュななつめさんなので地球外からやってきた知的生命体というイメージだったかな。

圧倒的能力を持ちちょっぴり上から目線なんだけど、人間の複雑な感情に関してはイマイチ分かってない美しき野獣が色んなところで騒動を巻き起こすというオムニバス形式のダンスファンタジーでした。

だから今回のショー「COOL BEAST」は花組の大先輩であるなつめさんが演じた「美しき野獣-The Beautiful Beast-」のテイストを花組を受け継いだダンサートップのれいちゃん(柚香光)初の大劇場ショーで構築してみたいという思いが藤井先生にあったんじゃないかなってふと思いました。

れいちゃんも野獣といっても猛獣のワイルドさとは少し違う感じです。

目を剥いて口をくわっと大きく開ける表情といい、しなやかな体の使い方といい、どちらかといえば爬虫類ぽい。

特に女役で踊る場面がとても良かった。

絡み付くような肢体が蛇のようで恐ろしくもあり色っぽくもありでとにかくドキドキでした。

あるいは猛禽類かも。

ラストの羽根のような白いプリーツ袖を広げるところは優美で雄々しい白大鷹のようです。

なんとなくれいちゃんには鱗を感じるんだよね〜。

ホラ。鳥の足にも鱗あるし。

正直最初は大好きだったなつめさんの思い出の作品を連想させるBEASTってタイトル、あんまり気安く使って欲しくないなぁって思っていました。

でももちろん内容は全然違っているし、というかめっちゃ大介ショーで既視感アリアリだったけど、れいちゃんの美しき爬虫類テイストが上手く生かされていた点が個性となってショーの構成のマンネリ感を払拭していたと思います。

主題歌もノリノリで楽しかった!

もしできることなら荻田浩一先生にれいちゃん主演で美しき爬虫類が主人公のショーを作ってもらいたいわ〜。

タイトルは「タランテラ」じゃなくて「アナコンダ」かな?

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