「冬霞の巴里」 LIVE配信感想1 ひとこ編

【2022-04-02】
LIVE配信感想

引越しが完了しましたので、ぼちぼちと綴っていた感想をこの書庫に保存していこうかなって思ってます。

LIVE配信を見てから2ヶ月以上が過ぎてますが、まずは「冬霞の巴里」の感想から。

「龍の宮物語」で鮮烈なデビューを果たした指田珠子先生の第2弾。

期待に違わぬ濃密な物語が繰り広げられ、配信でさえその世界に飲み込まれました。

オクターヴ♪ひとこちゃん(永久輝せあ)

「CASANOVA」以来、いまだに花組を観に行けてない私。

ひとこちゃんには「壬生義士伝」の沖田総司を最後に会えていません。

もう何年前よ!涙、涙。

そういえば雪組の頃のひとこちゃんって、芝居において役としてふさわしい設定でありたいっていう意識が強かったように思うのよね。

スカイステージの番組「Brilliant Dreams」での即興芝居のとき、それをとても強く感じました。

演技を理詰めに突き詰めちゃうタイプなのかな。

だからもう少し、あらかじめ自分で設定した役作りだけではなく、舞台上でのやり取りから臨機応変に生まれる柔らかな感情とか見てみたいんだよな~なんて勝手に思ってました。

でもそれは常に二枚目の演技を要求される御曹司であるがゆえの責任とジレンマだったのかもしれません。

キラキラしているけどとっても硬質。

そう、ダイヤモンドのようなイメージです。

そうこうしているうち花組に組替え。

初回こそ「はいからさんが通る」のバンカラ学生役だったものの、「アウグストゥス」のブルートゥス、そして今回のオクターヴ。

なぜか本格的に病みまくっています。

雪組で感じてきた硬質な緊張感が、花組ではこういう闇属性に昇華されていくのか!ってドキドキしました。

いや、そういえば雪組時代だって「斬っちゃいましょうか」なんてさらっと口走る沖田総司は明るく見えてなかなかの闇属性だったわ。

細身のスタイル、美しい容貌。

そして印象的な三白眼。

少し乾いた感じの声。

被虐も似合えば加虐も似合う。

「冬霞の巴里」では、その圧倒的な美と闇の力に打ちひしがれて、実はなぜかひとこちゃんについての記憶だけが今となってはほとんど何もかもぶっ飛んでしまったのだけれど。

とにかくオクターヴの心情がまるでダイヤモンドの破片がキリキリと胸に突き刺さるようで、苦しかった。切なかった。

そして美しかった。

宝塚のセンターにいながらこれほどまでに鋭い暗黒って、そして暗黒であればあるほど美しいって滅多にない個性だと思います。

この先もきっと気鋭の演出家さん達のミューズとなる気がするわ。

次の作品が、そして数年後の作品も!すっごく楽しみ。

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