スカステ視聴記録
1914年というのは宝塚歌劇が生まれた年でもあるのね。
「1914年/愛」スカステ録画観賞。面白かった~。
幕開きずらりと並んだ黒燕尾男役。
同じ振付なのだけれどポーズの取り方、動きのニュアンスは人それぞれ特徴が出ます。
一人、私好みの動き方をする男役さんがいて誰だろ~とアップになるのを待っていたら
ケロさん(汐美真帆)でした。
やっぱり好きなのだわ~。この手のお方。
燕尾はあまり動き過ぎずに、大人っぽいほうが好きなのです。
続いて娘役さんのシャーベットカラーの素敵なドレスのレビューシーンもとっても綺麗。
ノスタルジックで上品な電飾も美しいわ~。
それから、男役が女装して歌うちょっぴりコケティッシュなシーン。
「メモワールドパリ」のルコさん(朝香じゅん)、ピノさん(瀬川佳英)、かずき(幸和希)が歌った「ノンノンイザベル」を思い出します。
ここはタニ(大和悠河)、かしげ(貴城けい)、シイちゃん(立樹遥)、ゆう(真飛聖)が「フルフル」を美しいソプラノというかエアソプラノ(笑)?で歌います。
楽しい~。
宝塚のシャンソンって軽くておしゃれで好きなんだけどな~。
最近、こういうシャンソンを使ったレビューってあまりないよね。
ノリノリのショーも良いけれど、たまにはこんなうっとり出来るレビューも観たいな。
お話はモンマルトルの酒場のオーナーにして魂の歌手、実は貴族の子息アリスティド・ブリュアンのわたる(湖月わたる)と
芸術家を支援する謎の伯爵夫人、実はオペラ歌手志望の貧しい娘アデルのダンちゃん(檀れい)との
お互いに素性を隠しているがゆえの、ちょっぴりドタバタなけれども誠実な恋模様。
その二人の恋と平行してパリに集まる芸術家達も描かれ、こちらは青春群像劇となっています。
夢破れたり、投獄されたり、孤独に苦しんだり、酒に溺れたり・・・
そして、やがて迫り来る戦争の足音。
といっても90周年ということで他組より、
キラキラ王子・タニと
アンニュイ王子・かしげが特別出演。
男役の華やかな群舞などで表現されていて暗くなりすぎることはなく、その後に訪れるであろう不幸をほのかに匂わすだけにとどめています。
わたるの黒の帽子、赤いマフラー、黒トンビの衣装ロートレックのポスターと同じ衣装。
カッコいい~
大きくて、抱擁力があって、豪快で、でも、可愛げがあって。
本当に良いトップになっていたのね。
嬉しいわ。
だんちゃんの伯爵婦人の美しさは筆舌に尽くし難い。
そこから打って変わってのすっとこどっこいもとってもチャーミング。
わたる・だんちゃんの組合せはふっと肩の力が抜けた感じがあってとても良いです。
二人がお互いの本当の素性をバラされてもう、わちゃわちゃになった瞬間、輪をかけて、わちゃわちゃな怒涛のカンカンシーンになるのが大好き。
元気になれます
ここは若さはちきれんばかりのちえちゃん(柚希礼音)のダンスが見どころ。
宝塚観劇を再開した時に5組のトップのなかでただ一人名前も顔もまったく知らない人だったちえちゃん。
堂々たるトップ姿しか観ていないのでこんなにも希望にきらめいている若手時代の映像は新鮮でした。
さて、二人はめでたく結ばれて大団円にて幕はおりるのですが、もちろん、この後には第一次世界大戦が勃発。
モンマルトルの芸術家たちも、生きているあいだに名声を得ることが出来た人はほんの一握りであることは、我々観客もわかっているわけです。
だとしても青春の全てを捧げて生きているのだと。
そうして、明るく力強いわたると
美しくもたくましいだんちゃんを見ていると
きっとこの人達はこの先いろんなことを乗り越えていくのだろうな~と思えてくる。
それは、この年に生まれた宝塚歌劇団の姿にも重なるのかもしれません。
宙組2021年上演「Délicieux!」が久しぶりにシャンソンを使ったレビューでしたね。
オシャレで素敵でした。
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