デビュー作にあるものが…ない「鈴蘭(ル・ミュゲ)」2

【2016-07-18】
スカステ視聴記録

青年の心の成長と淡いラブロマンスが謎解きを絡めて描かれている。

樫畑亜依子先生デビュー作。

といっても主人公が初恋の人の死の真相を探っているというだけで観客にとっては「謎解き」ってほどでもないか…。

枝葉がないシンプルなストーリーながら主要演者の熱演もあってそんなに退屈ではない。

場面転換もスムーズで変なストレスもない。

まぁ、これまで何度も宝塚で描かれてきた見慣れた王道の展開と演出。

それ故にデビュー作なのにこの演出家の個性がよく見えないな。

何回か、日本語の言い回しに引っかかりを感じるところがあったので言語感覚はあまり鋭い人ではないのであろうとは思うけど。

もちろん若手だ。

デビュー作だし。

最初からそんなに素晴らしい作品を望んでいるわけではないの。

でもそれにしても、いったいどんな作品を書きたい人なんだろう???

今まで見てきた宝塚の作品を宝塚の作品らしく、小さく無難にまとめてみました。

という感じ。

この自己主張のなさが個性なのかな?

そうはいっても、素人があれこれ勝手にほざく、こんなブログの意見とか世の評判とか、そんなものは物ともしない強いハートがあんまり感じられなくって逆に心配になる。

まぁ、自己主張のあまり生徒にトンデモナイ役を演じさせるよりかは観てて安心ではあるけれど。

荒削りでも、下手くそでもその人の描きたい!!という心に滾る何かが見えてくるのがデビュー作というものだと思うのだが。

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