観劇感想
そういえば、前作の「ポーの一族」はチケットが手に入らず観に行けなかったのだったわ。
なのでお久しぶりの花組の皆々様でした。
まさに、みりおちゃん(明日海りお)充実期。
その求心力で、演者、観客を含めすべての周りの人たちががぐぁ~~~っと惹き込まれていく感覚は今の花組だからこそ!だと思ったわぁ。
「もしかしたら違った未来が…でも...」という私好みのシチュエーションは、ゆずカレー(柚香光)が演じた一人生き残った南蛮絵師リノとマイティ(水美舞斗)が演じた徳川側の老中松平に少し描かれていたように思う。
リノが戻ってこなかったときに発せられるマイティの万感の思いを込めた一言にグッときた。
こんなにも難しい役を!素晴らしかったなぁ。
とはいえラストの老け役はさすがにまだもう少しだよね。ここは難しいよ。
ラストの20年後を考えれば老中松平はちなつさん(鳳月杏)でもよかったかも。
肝の据わり方が下級生と比べるとやっぱり太いのだわ。
でも今、ここで、この役を演じることがマイティにとって大切なことなんだよね。
なんといっても凛と涼やかなマイティの日本物の佇まいは絶品!
ゲスで小者の悪役を気持ち良さげに演じるちなつさんも素敵だったし。
そうです。私は悪役フェチ。
ゆずカレーは、うん。かなり頑張っていた。
この人の魅力は「変幻」だと思う。
ショーではあやかしのように現れたり消えたり、変化していくイメージが印象深い。
そのためかリノの生き方があっちに行けばあっちの立場、こっちに行けばこっちの立場という変わり身の早いやつに見えてしまってどうも心の葛藤がなかなか伝わってこない。
この役を演じさせるのはキャラ的にも演技力的にも、まだちょっと無理があったかも。
もし人間味あふれる芝居力の高い人が演じていたらどうなっていたかしら。
涙もろい私はおそらくエグエグ泣かされていたことだろう。
すごくいい役だったんだけどな。
宝塚はスターシステムなので2番手になればキャラ違いの役をすることも多い。でもそこに新しい発見と成長の機会があるわけで。
大成長するのはきっとこれからだよね。
つかさ~~~~!!!
つかさっち(飛龍つかさ)の不動丸がいい味出してたよ~~~!
研2の「アンドレア・シェニエ」の時から注目していた芝居力。ついに大劇場で陽の目を見たぞ!
相棒の多聞丸は本当はあれん(亜蓮冬馬)だったのね。
あ~、見たかったな。つかさっちと二人、さぞかし熱くて賑々しい海賊となったことだろうに。
ショーでも英語歌唱するところがあって、さなちゃん(愛乃一真)からつかさっちへと歌い継いでいくのだけれど、そこも多分もともとはあれんだったんじゃないかなぁ。
もし、あれんだったらリズム重視のパンチが効いた歌唱となっていたんではないかと想像する。
あ~、聴きたかったな。つかさっちの歌唱もすごかったから、さぞかし迫力ある場面となっていたことだろうに。
こんな大事なときに怪我とは。本人が一番つらいだろうな。
どうかしっかり直して元気に復帰してほしい。
新人公演もまだあと1年ある!
あれんならきっとチャンスはまた巡ってくる!
さて多聞丸の代役は、はなこちゃん(一之瀬航季)。
以前スカステで見たバウ「スターダム」で弁護士を演じてた人だよね。
あの時は下級生ながら落ち着いた中堅弁護士という演技がすごく上手くて印象に残ってます。
これほどの大役はきっと初めてだよね。新人公演もリノ役。すごいチャンスだ。
場所に慣れてないのかまだ少し大人しいかな。
でもとても上品で正統派の雰囲気を持っているので、ぜひ今後もどんどん前に出てきてほしいぞ!
ショーの歌の代役、さなちゃん。
とっても若々しく伸びやかな良い声で素敵だった。
一瞬真ん中にいるゆずカレーが歌い始めたのかと勘違いして、すごい!一体どうしたんだ!って焦ったよ。
あと印象に残った人、今回多かった。
ま、花組大好きなのであちこちに目がいってしまいます。
びっく(羽立光来)は藩側ではあるのだけれど地元密着型の役人で温情の人。芝居のさじ加減が上手いんだわぁ。
それからショーでも歌が聞けて嬉しかった。
ローマの剣闘士の場面では下手端でたそ(天真みちる)と共にローマ貴族の怪しげなやり取りが繰り広げられていて、その表情の豊かさにうっかり釘付けになってしまった。
おかげで真ん中のダンスを見過ごしてしまったよ。
ここ音楽が大好きな斉藤恒芳先生。
恒芳さんの曲をしいちゃん(和海しょう)の深い歌声で聴ける幸せよ!
まいこつ(紅羽真希)は徳川家光。堂々たる銀橋芝居。嬉しい~~!
島原の乱の場面では民衆側に腰が座って殺陣がキマっている人がいたので思わず誰かしらと目を向けたらまいこつでした。
こんなに動ける人とは!知らなかった。
もっと注目されてもいいと思う。
息子の徳川家綱ほのかちゃん(聖乃あすか)は清潔感あふれる若様。
ちょっと鼻声なのかな?でもそこが甘い感じの2枚目声。
村の青年ほってぃ(帆純まひろ)は元気いっぱい。
でもダンスはホント頑張りや~~。花組でこの状態のままだとちょっとヤバイぞ。
ショーの客席降りは2階まで下級生が来てくれました。
多分たおしゅん(太凰旬)かな?ハイタッチできて嬉しかった!
村の男の子うらら(春妃うらら)、くりす(音くり寿)、はな(華優希)マジかわええ~。
ひっとん(舞空瞳)のショーでのキラキラ具合ときたら!もはや何も言うことなし!
さて最後に、流雨のゆきちゃん(仙名彩世)。
清らかだった~。
美しい歌声。まさにマリア様の慈愛。
でも原田先生~~~!!
もうちょっと描いてほしかったよ。
ゆきちゃんはみりおちゃんとがっつり芝居ができる人だよ。
う~~ん、しょうがないのかな~。
今の花組はみりおちゃんの集大成期。
とにかくみりおちゃんの魅力大爆発が第一!
それからゆずカレーを上手く見せることも重要!
つづいてまさに百花繚乱な花男たちがずらり!
ゆずカレー時代に備えて彼女の弱点を補えるような実力ある若手の引き上げも急務!
で、その次がゆきちゃん。
って感じだなぁ~。
でもショーで男役を引き連れ、男役以上に小粋でかっこいいゆきちゃんの場面があって嬉しかった。
こういう花娘真骨頂‼︎な場面は今後も定番にしてほしいわぁ。
それからデュエットダンスのゆきちゃんの首だけ支えたリフトっていうかキメポーズ。あれ凄いわ。
全く力技と感じないんだけどゆきちゃんの体幹の強さ無くしては不可能な姿勢。
みりゆきならでは!というものがまだまだたくさんあるはず。それをもっともっと見せてほしいな。
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