スカステ視聴記録
あさこさん(瀬奈じゅん)外箱公演「SAUDADE-Jにまつわる幾つかの所以-」をスカステ録画観賞。
男役集大成としてのダンス、歌。
芝居的要素も取り混ぜたショーアクト。
といっても派手派手ギラギラなダンスショーではなくシックでノスタルジック。
衣装も特にトップらしい感じではなくって周りと同じようなテイスト。
だけどその中でもやっぱりあさこさんの佇まいは格別だった。
男役として最高水準まで達した舞台。
もうこれは!言葉にならない!
ただただ素晴らしい!!
観に行った方、羨ましい!!!
ちょうど観劇回数が減ってしまった頃に入団したあさこちゃん。
でも花組公演だけはなんとかかろうじて見てて、もちろん研一のころからその存在は知っていました。
まず、なんといってもアイルトン・セナから取ったというその芸名がかっこよくてすぐに覚えた。
広めの肩幅に小さめの顔も男役としてぴったり、現代的だなと思った。
だけど下級生時代、舞台ですごく目立っていたか?というと、意外とそうでもなかった気がする。
なんといっても1学年上に花組の大ホープ!おささん(春野寿美礼)がいたし。
ダンスはというと、なにせダンスの花組黄金時代、周りがとんでもなかった。
上級生はもちろんのこと同期ではオトコ(音羽)がダントツにうまかった。(すぐ星組に行っちゃったけど。)
下にもきりやん(霧矢大夢)がいて、さすがは主席、男役ピックアップメンバーの群舞に早くから入っていて気合い充分って感じだった。
そうそう、きりやんと入れ替わりでちかさん(水夏希)が組替えしてきたんだっけ。
やっぱり組替効果であさこさんより下級生のちかさんのほうに注目が集まっていたと思う。
ダンススキルだけで言えばさらに下級生のまやちゃん(蘭香レア)のほうがあさこさんより上だったかもしれない。(すぐ雪組に行っちゃったけど。)
男役のキザなダンスという点では、研2にして研究科20年と言われていたまゆさん(蘭寿とむ)が私の目を引いた。
あさこさんだって踊れる人なのに、当時の花男の中ではごくごく普通という感じで…実を言うとあんまりその頃の舞台姿の記憶は残っていない。
多分本人にも、このままではいけないという自覚があったんだと思う。
で、どうしたか?
「とにかく男役としてかっこよくなりたい。」
そんな風に思ったという話をどこかインタビューかなにかで聞きました。
男役の宝庫と言われたその頃の花組にはお手本となる人が山程いた。
そしてあさこさんの強みは、当時私はまったく気がついてなかったけれど、とても芝居心が豊かだったということ。
だから、ただ上っ面だけがかっこいい男役になってしまうことなかった。
ダンスでも芝居でも男役としての真のかっこよさの研究を重ね、次第に身につけていったのだと思う。
歌は、それまで全然聞いた記憶がなかったけれど、たもちゃん(愛華みれ)主演のバウ「ハリケーン」で初めてちゃんと耳にして、一緒に観に行った友人と「瀬奈じゅんって歌うまかったんだね~。知らなかった~~。」って話しながら帰ったことをよく覚えている。
低いところから高いところまで切り替えがどこにあるのかわからない見事な男役歌唱をいつの間にやら身につけていた。
これ、出来ると強いよね~。
無理に声を低くしたり、高音部まで地声を張り上げるのが男役発声ではないのだわ。
今の時代ならみりおちゃん(明日海りお)がこういう声の出し方をとても上手く継いでいると思う。
ナチュラルな役の時は気がつかなかったけど、「あかねさす〜」の中大兄皇子みたいな男っぽい俺様系の歌を聞くと、あぁ、あさこさんの歌い方を継承してるなぁって思います。
まさお(龍真咲)も癖があさこさん風かな?ちょっと誇張気味で、もはやまさお節だけど。
高音部をファルセットに抜いちゃうから少しテイストが違うかしら。
とにかく二人とも、多分あさこさんから強く影響を受け、もともと持っている声質を生かした自分らしい歌唱をつかんでいったのね。
あさこさんはものすごい歌ウマさんとまでは言えないのかもしれないけれど歌に芝居心があり、男役として粋なリズムがあり、そう、つまりすごくカッコいい!
ホントにね~~。
あのあまり目立たなかったあさこちゃんがね~~。
沢山の先達の良いところを貪欲に取り入れ、自分ならではの魅力も磨き抜いて、今度は下級生達のお手本となるほどに男役を極めていたとは!
花組黄金時代の男役のスタイリッシュさに加えてナチュラルで確かな芝居力からくる人間味のある男役像。
そのトップ姿を生の舞台で観ることは出来なかったけど、まさに集大成のこういう作品の映像を見ることが出来て嬉しいわ!
ありがとうスカイステージさん。
それから、コシリュウ(越乃リュウ)、トシちゃん(宇月颯)、ちなつ(鳳月杏)という大好きな男役さんが出演で非常に嬉しかった。
コシリュウのラスボス感。
トシちゃんのハツラツ笑顔。
最下級生ちなつはまだぷくぷくだけど今につながる切れ味の片鱗が見えた。
みんなそれぞれに男役としてのかっこよさとは何かを追求している。
うん、いいね〜。
こうしてカッコいい男役の歴史は受け継がれ、さらに進化していくのだね。
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