サイドストーリーも 見逃せない「CITY HUNTER」1

【2021-10-17】
観劇感想

行ってきました東京宝塚劇場!

今回も宙組に引き続きとんでもない前方席でして。いやもうこれはほぼSS席といってもいいくらい。

いつもはS席でも一階最後部とか二階のかなり後ろなのに、このところの座席運がすごすぎてちょっと怖い。

ただオペラグラスいらずの前方席ゆえ、話の傍流のほうがすぐ目前に繰り広げられていると思わずそっちに目が奪われちゃって主流のストーリーがわかりにくくなっちゃうのよね。

大劇場千秋楽のLIVE配信を見ておいて本当に良かったわ~。

まったく初めてでこの席だったら、たった一度の観劇でストーリーを把握するのは無理だったかもしれない。

前回観た宙組「シャーロック・ホームズ」では市民達の群衆芝居の演出がとても洗練されていたので、今回の雪組のごちゃつき具合はすこ~し気になりました 。

でもそれこそがあの時代の新宿の混沌を醸し出しているってところもあるし。うーん。

演劇としてのちゃんとした視線誘導を優先するか、そこはすっぱり諦めてわちゃわちゃを楽しむのかの選択が難しいところ。

で、結局どうしたかというと、そりゃぁ見ちゃいますよね。
眞ノ宮るいくんを。

北尾警視正♪るいくん(眞ノ宮るい)出演シーンメモ

反社会的勢力劔会と裏でつながるエリート警察官。

この若さですでに警視正ってことはキャリア採用ってことですね。東大か京大卒の国家公務員だわ。

オープニングでの登場人物勢揃いではセリの上で踊っていたかしら。

センターパーツのサラサラヘアーにクールな銀縁眼鏡。

すっきりと知的なイケメンです。

警視総監からの覚えもめでたく娘の婿にとお見合い写真も舞台に登場。

警視総監付きの警官でさえも熱く激推ししているところをみると間違いなく職場内にファンクラブがあると思う。

なんか「幽霊刑事」のズーンチャッチャズンチャチャって歌ってた婦人警官がキャーキャー言いながら北尾警視正にラブラブ光線(もはや死語か?)を送っている姿が思い浮かんじゃうわ。(おっと、あれは石田先生の作品だったっけ)

新宿SHOWTIMEでは伝言板の前で警視総監♪にわさん(奏乃はると)と何やら会話。

どうしたわけだか握手をした手を警視総監がなかなか離してくれなくて、にっこり笑っているように見える北尾警視正るいくんの口元がちょっぴり引きつり、目が次第に冷ややかになっていくのがその後の伏線になっていたのか~。

で、麻薬取引現場で遂に正体を表す。

ヘマした構成員をにっこり撃ち殺し、劔会から金をせしめる冷血漢。ひょえ~~~~~~!

このときの劔会長♪あすくん(久城あす)のビクッとした表情が好き。

ヤクザの親分さんさえドン引きさせるサイコ野郎だったとは!

そうそう、スカステで流れた宝塚大劇場での初日映像では
「犯人はあのシティーハンターだぁっ!!」
って大見得きっていましたが、東京宝塚劇場では憎々しげなセリフまわしになってました。

関西のお客さんは大げさなノリに慣れているけれど、東京のお客さんってリアル感を求めるところがあるので、ここの演技を変えてきたのは正解だと思うわ。

そんなふうに人を殺しておきながら
「あなたは私のフィアンセなんですから」
と後ろから甘い声でささやき冴子♪みちるちゃん(彩みちる)をぐいと抱き寄せる色男なんだもん。もう堪んない。

二面性のある悪役最高!悪役フェチの血が騒ぐ~~~~!

ところがあっさり悪事は発覚。

ノンキャリアの平刑事織田くん♪かりあん(星加梨杏)にとっ捕まっちゃうのもご愛嬌です。

高いインテリジェンスに溺れて足元すくわれるタイプね。

なにせこの物語、上には上の悪役がまだまだいらっしゃるのでこのあたりで若干の小物感を出すことも肝要かと。

手錠をかけられたまま、織田くんをどついたり、冴子ちゃんに足を踏まれたりと、なにやら3人でわちゃわちゃしているのがいかにも漫画チックで可愛らしかったです。

大好きなるいくんの演技をあれこれ見ることができて大満足!

他にも周辺を彩る大好きな人たちのことをメモしておこうっと!

ねこまんまのママ♪あんこさん(杏野このみ)&ねこまんまガールズ

冒頭、獠ちゃんの借金を取り立てに押しかけるところでの勇梨おねえさま♪あきちゃん(叶ゆうり)とのキャットファイトでガチに強いのも見せ場だけれど、ワンダーランド直前に上手の花道あたりで出勤前を表現したひとり芝居をしているところがすごく好き。

新宿アンダーグラウンドを生き抜くしたたかさと愛嬌。そしてそこはかとなく漂う哀愁がたまらないわ。

そしてねこまんまのガールズ達も可愛くって眼福でした。

ショーパブ場面でのかわい子ちゃん達のダンスも好きなのですが、ワンダーランドの歌の時に舞台奥へと歩いていく後ろ姿がなんとなくせつなくってじーんとくる。

あんなに明るく笑って踊っていたけれど色々な思いを抱えた女の子たちなのかなぁ~って思うのよね。

あの頃の(いや今もかな)新宿に集まる女の子たちの光と闇。

そしてこの「WONDERLAND」という曲とてもいい曲だなぁ。

SHISHAMOの宮崎朝子さんの作詞作曲とのこと。

新宿の婆♪あゆみさん(沙月愛奈)

これが卒業公演のあゆみさん。

エレガントなあゆみさんが婆さん?ってどうなのよと見る前は思ってたけど、このキャラ好きだ~~~!

ちょいちょい出てきては為になるよな、ならないような、それなりに含蓄ある言葉を発する和服の占い師。

一番好きなところはラストのクリスマスの場面。

喫茶キャッツアイを飛び出した獠ちゃんが粉雪舞い散る新宿の寒さにブルっとなったところで、どでかいクリスマスツリーのきぐるみかぶった新宿の婆に出くわします。

随分シュールな出で立ちだけれど、きぐるみはちょっぴり体を温めてくれるよね。

寒空の下、街頭で辻占いをする新宿の婆のたくましさとバブルで浮かれたあの頃のトンチキなムード。

そしてそんな時代が(つまり私の青春時代だ!「ロマノフの宝石」だ‼︎by街頭ビジョン)もう失われてしまったことが切ないような懐かしいような、ちょっぴりセンチメンタルな気持ちになりました。

この物語は全体的にはドタバタコメディではあるけれど、そこここに胸がキュンと締め付けられる瞬間があるのがとても好きです。

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