「冬霞の巴里」 LIVE配信感想4 若き演者たち

【2022-04-05】
LIVE配信感想

たった1回のLIVE配信の視聴で4つ目の記事になっちゃった。

それだけ充実の作品だったってことね。

最後に期待の若手たちの感想もいってみよう!

オクターヴの弟ミッシェル♪らいと(希波らいと)

そうか、らいとくん。君の弱点は歌唱なのか。

いい場面、いい曲だったんだけれど、ちょっと現実に引き戻されちゃったところはあったかな。

でも、彼の素直さ、綺麗事を言ったとしてもそれが本心からであることがわかる清らかさ。

これは真ん中を行く役者として素晴らしい資質だと思う。

ラスト近くの修羅場の中、彼の目からただ静かにはらはらと流れる美しい涙にぐっときました。

ここ良かったなー。

己の無力さを知っているところもミッシェルの美点。

それを良く表現していたと思う。

ミッシェルの婚約者エルミーヌ♪みこちゃん(愛蘭みこ)

エルミーヌは割りとグイグイ心の垣根を超えてくるタイプなのよね。

でもそれがすべて彼女の心根の優しさと明るさからくるものであることがよくわかる。

だから押し付けがましくも嫌な感じにもならない。

この天性の善性と愛らしさって素晴らしいと思うわ。

声も清らか。

歌唱がプロっぽくならない程よい上手さであることも令嬢らしかった。

塩梅がとても難しいこの役を良くものにしていると思うわ。

ぜひ新人公演のヒロインとして検討して欲しい。

復讐の女神♪芹尚英、咲乃深音、三空凜花

概念のようでもあり、登場人物たちの運命を導くようでもある。

実在はしていないけれど時には登場人物達に紛れて存在しているのがとても興味深かった。

そういえば、次の星組の全国ツアーでの上演が決定した「モンテ・クリスト伯」でも現代の高校生達がそんな感じで物語に参加してましたっけ。

私、あれ結構好きだったんですよ。

世間的には評判悪かったみたいだけど、ああいう時間と空間の融合って演劇ならではで大好き。

さてさて、この復讐の女神達は血みどろをイメージするようなビジュアル。

怖いけれど美しくもある。

モンテの高校生よりはぐっと物語の世界観にマッチしていました。

アレクト♪たっちゃん(芹尚英)

憂いを帯びた無表情が印象的。

いや無表情というのではないな。

心にぽっかり空いた深い深い穴のような虚ろさ。

それがほんの時折、顔つきが変わるんだよね。

といっても動くのは表情ではなく、顔の筋肉っていう感じなのが凄くて、そして恐ろしい。

さすがダンサー!

ティシボネ♪みおんちゃん(咲乃深音)

あのゾンビメイクから放たれる清らかで深みのある声がもうこの世のものとは思えないほど素晴らしかった。

天使のような歌声なのになにかと容赦なくて震えました。

好きです。

メガイラ♪みくりん(三空凜花)

そしてなにせゾンビメイクなのでまだお顔が覚えられないのだけど、横顔がコケティッシュで好きなタイプのような気がする。

次はぜひ劇場で見つけたい。

新聞売りの少年♪まる(美空真瑠)&少年オクターヴ♪ゆうゆ(初音夢)

この二人がとんでもなく芝居が上手くってびっくり!

ちょっとした一言をしゃべるだけで、もう上手い。すぐ上手い。すごく上手い。

新聞売りの少年はなんだかいろいろ辛いな。

一人ぼっちなのに、信じて慕っていた兄貴分達がみんな無惨なことになるもんな。

その小さな身体に色んな感情をパンパンに詰め込んでいる感じが健気で切なくて、胸に迫る。

そして悲痛な叫び声を上げる少年オクターヴ♪ゆうゆちゃんに思わず涙した。

「落葉のパレルモ」の時、すみかちゃん(野々すみ花)がたった一言の叫び声で観客の涙腺を崩壊させたことを思い出したわ。

少女 アンブル♪こはる(湖春ひめ花)

箱推し106期生のひめかちゃん。

これは難しい役だった。

アンブルは大人も少女時代も難しい。

ひめかちゃんの芝居はとてもとても生真面目。

折り目正しいのね。

少女の中にある魔性というか潔癖であるがゆえの残酷さというか、そういう表現って難しいわ。

歌とダンスは申し分ない人だとわかっているし、芝居だってけっして悪くはない。

あとは経験あるのみ。

期待してるよ。

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