思いつれづれ
今年は去年より多く劇場に行くことが出来ました。
残念ながら花組だけはまたしても観ることが叶わなかったのですが、月雪星宙の東京宝塚劇場公演は無事に楽しむことが出来ました。
なかなか手が回らない別箱は星組「ジェントル・ライアー」のみ。KAATは好きな劇場だし楽しかったわ。
こんどはぜひ中華街お食事付きで行きたい!けれどデンマークのお医者さんのチケットはきっと無理ですね。
ムラ遠征はまだ当分我慢だけど御園座には行けるといいなぁ。
さて今年もランキングをつけられるほど観劇はしていないし、どの作品もすべて好きだったので昨年に引き続きダンスや衣装など各部門での個人的お気に入りセレクションをまとめてみたいと思います。
装置部門
これはもう圧倒的に雪組「蒼穹の昴」です。
装置担当は松井るみさん。
特に天井画が見える皇帝の間が豪華で素晴らしかった。
たしか「MESSIAH」の江戸城のセットでも天井画が見えましたよね。
1階席はもちろん2階席からも違和感なくちゃんと天井が見えるのが未だに不思議でしょうがない。
きっと遠近法を駆使しているのでしょう。仕組みはよくわからないけれど。
遠近法といえば長い長い赤い壁のセットも好き。
いくら大劇場とはいえ舞台の奥行きは限りがあるので、春児があんなにも遠くから息せき切って走ってくるように見えるのって壁がものすごく絶妙な角度で構成されているのでしょう。
その壁がくるりと裏返ると客船の舳先に変わるのも面白い。
まるで映画のカット割りのように一瞬のセットの変化で陸側から海側へと視点が変わるのね。
両側からセットを真ん中で合わせて船の舳先にするというのはこれまでもスカピンなどでありましたが、観客の視点の方向を逆転させているというのはとても斬新。
素晴らしかったです。
衣装部門
こちらも雪組「蒼穹の昴」です。
衣装担当は有村淳さん。
デザインも素晴らしいですが、それをもとに実際に制作された衣装部の皆様はさぞ大変だったことでしょう。
いつもながらその緻密さ、その根気に頭が下がります。
男性の対襟補褂(トイジンプグワ)の胸の刺繍が文官、武官、皇族では柄が違うとか、帽子の宝玉の色が階級によって変わるとか、いろんなことをTwitterのタイムラインで知りました。
そんな時代考証もしっかり踏まえつつ、美しくかつ男役の衣装としてかっこよく作り上げるのってきっと難しいですよね。だって満服って丈が長くてドレスみたいなシルエットじゃないですか?
それを見事に着こなすさきちゃん(彩風咲奈)をはじめとした雪組の男役さんたち。豪華な刺繍の官服はもちろん自宅にいるときの衣装も全部かっこよかったぁ。
そしてずらりと並んだ娘役さんもとても華やか。
歴史物のサダメではありますが、どうしても男役中心の物語になってしまうため今回娘役さんのほとんどが西太后付きの女官となってしまいました。
確かに物語に深く関わる役はなく、特にこれまで主要な役を務めてきた上級生娘役にとってはセリフもほとんどなくて物足りなかったかもしれません。
けれど下級生娘役にとってはあんなに美しい衣装を着て観客のすぐ目の前で歌い踊るという経験はなかなか得難いものだったのではないかしら。
まさに百花繚乱。この世の極楽のようでした。美しかった~。
ダンス部門
残念ながら観に行く事ができずLIVE配信のみの鑑賞なのでどうしようかと思ったけれど、やっぱり「ODYSSEY」のニューヨークの場面が好きすぎる!
振付は三井聡さん。
まるで往年のミュージカル映画やフォッシースタイルのようなシアタージャズダンスって最近ではちょっと珍しいですよね。
けれどもけっして古臭くなくて、男役さんはもちろん娘役のダンスもセクシー&かっこいい。
きわちゃん(朝月希和)のツンとヒップを強調したダンスが大好きでした。
ともかちゃん(希良々うみ)もすごく素敵だったよなぁ。
私、自分がタカラジェンヌだったらって考えたことはほとんどなかったんだけれど、もし生まれ変わって娘役さんになれるのなら絶対このシーンのダンスを踊ってみたい!って真剣に思いました。
歌唱部門
ことちゃん(礼真琴)の「Gran Cantante!!」における歌唱も素晴らしくってとても迷ったのだけれど、やはり雪組「蒼穹の昴」より一幕ラストのさきちゃんによる「昴よ」が忘れられません。
物語の持つ力によってもたらされる迫力が圧倒的で、鬼気迫るというのはこういうことを言うのだろうなと思いました。
関連記事はこちら>>>「蒼穹の昴」観劇感想2 さきちゃん編
こうしてお気に入りセレクションを選んでみると結局「蒼穹の昴」ばかりになってしまいましたね。
年の終わりに飛び込んできた残念なニュースについては週刊誌も読んでないし、末端のファンである私にはその詳細はわかりません。
もちろん起こったことは取り戻すことは出来ませんが、これをきっかけに良い方向に進んで行くことを願ってやみません。
大変な状況の中で一日も欠けることなくこれほどまでに素晴らしい舞台を作り上げた演者をはじめとしたすべての関係者の皆様、本当にありがとうございました。
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