「ライラックの夢路」観劇感想2 エリーゼ編

【2023-06-23】
観劇感想

ハインドリッヒ♪さきちゃん(彩風咲奈)とエリーゼ♪あやちゃん(夢白あや)のカップルがキラキラと輝いていました。

どんな困難にぶつかった時でもいつも明るくポジティブで、新しい夢や未来に向かって前進していく姿が眩しかった。

ついこの間までボニクラに狂い倒してたのでね。もしもボニーがこういうマインドを持っていたらきっと幸せになってママを泣かせることもなかったのに~って思っちゃったよ。

それにしてもボニーからエリーゼへ、あやちゃんの変貌ぶりには目を見張るわ。

父親が勧めたピアノよりバイオリンを選んじゃったという反骨精神を裏付けるようなちょっぴりいたずらっぽい眼差し。くるくると大きく動く表情がとってもチャーミング。

そして自分で自分の道を切り開きたいという強い意志も感じられる。

ラストに好きな人と結ばれて、それでめでたしめでたしの単純な玉の輿的ハッピーエンドと感じさせないところがすごく好きです。

これから彼女には第二章、第三章といろんな夢の続きの物語があるんだろうなぁ。

そうそう。エリーゼが投資でハインドリッヒを助けることができたのは時間的にいっても金額的にいっても、手持ちの鉄のジュエリーの販売益のおかげ。というわけではないわよね。

資金調達に関してあれほどしっかり描いていた割には「ディートリンデさんが全部買い取ってくれた」っていうおとぎ話的一発逆転の印象が強い脚本で…。

だからエリーゼ、投資できるくらい儲けるとはどんだけアクセサリー作ったんかーい!って突っ込みたくなっちゃってたけど、いやいや、銀行の本業は買い取りではなく融資ですから~。

つまりエリーゼが徹夜で作った鉄のジュエリーはあくまでもデザインサンプル程度の数じゃないかしら。

それをジュエリーショップに展示し、消費者の動向を探って、やがてはハインドリッヒの鉄工場で大量生産するという事業計画だと思うわ。

そう、これはまさに産業革命における民間ビジネスよ!

おりしもイギリスではヴィクトリア女王が愛用した「黒い琥珀」と呼ばれたジェットのアクセサリーが一大ブームとなる頃。

ジェットやオニキスなどの黒い宝石に比べ安価でしかもデザイン性に優れたエリーゼの作品はブルジョアのみならず産業革命で暮らしに余裕が生まれた庶民にも売れるはず。

イギリス、ドイツ。いや全ヨーロッパで大ヒットすること間違いなし!と流行に敏感なディートリンデのお墨付きでパパの銀行から融資を得て、そのお金をまずは鉄道部門に投資したんじゃない?

ま、迅速にしてそこそこ多額の融資はディートリンデの罪滅ぼしっていう意味合いが強いのでしょうけれど。

なんにしても今後ハインドリッヒの鉄工場はBtoBの鉄道部門とBtoCのアクセサリー部門の両輪を持つ事業となるわけだわ。実に手堅い。

女性起業家のプロジェクトX第一章としても実に良く出来ているんだわ。

今後は重さのある鉄製ジュエリーの軽量化を図らなきゃいけないだろうし、そのためには繊細な細工ができる職人も必要だし、それから量産化の工夫も検討して~と彼女の挑戦の物語はこの先も続いていくのだ。ワクワク。

エリーゼの未来に幸あれ!

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