スカステ視聴記録
この芝居のなかで
主人公たちを見守るシスターが話す
「神様は乗り越えられる試練しか、お与えならない。」
というようなセリフがあるのだけれど、私のような非キリスト教徒だとそれがたとえ真理であったとしてもとてもじゃないがそんな事、言えない。
病気や天災など自分ではどうにもならないような事ならなおさらに。
だからどうかもうこれ以上の試練はお与えになりませんように。
と全ての神様にお願いしたい気分です。
さて、そのシスターを演じたのが
てるこさん(千賀てる子)なのですが、これが退団公演とのこと。
定年退職かな?
私が宝塚を見始めた頃にはすでに専科生。
昔は日舞・ダンス・声楽・演劇と専科がわかれていて。
たしかダンス専科だったかと。
スパニッシュの名手なのですよね。
てるこさんは西洋の古いお屋敷の奥深くに飾られている貴婦人の肖像画のようにクラシカルで謎めいた独特な雰囲気をたたえた人。
だから太田哲則先生の作品には欠かせない人でした。
今回のシスター役は太田作品のようなテイストではないけれど、太田作品を思い起こさせる八百屋舞台で、フィナーレではスパニッシュを踊るという彼女にとってこの上もなく幸せな退団公演。
稲葉先生は退団者にとても優しいですね~。
さてもう一人、大人の女性が、ディスコの歌姫のあっこさん(花愛瑞穂)。
全ての歌をエネルギッシュに歌いきり、この芝居の陰の敢闘賞だと思う。
宝塚だと娘役歌唱はクラシックが基本で情感豊かにたっぷり歌うため、どうしてもリズムが甘めになっちゃう。
ま、そこが美しくて素敵ではあるのだけれど。
でも、あっこさんの歌はたとえしっとりとした曲でもしっかりリズムが出ているからものすごくカッコいい~
私なんぞは手拍子ですら、どんどんずれていくほどのリズム音痴なので・・・うぅぅ
いったいどうやったら、あんなふうに歌えるのだろう。
憧れます。
ただ、彼女のような、リズム系の迫力ある大人の歌手は本公演だと活躍の場が少ないのが残念だわ~。
ジャズやソウルなどを歌いたい人は宝塚ではなかなか場所がなくて・・・。
結局、退団してしまうひとが多いよね。
あっこさんには第二のシビさん(矢代鴻)を目指して頑張って欲しかったのだけど、「ロミジュリ」のモンタギュー夫人で退団。
キャピュレット夫人のコロ(音花ゆり)と二人で歌った"La Haine"(憎しみ)は各組いろいろな方が演じたけれど一番好きだったな~。
「Hallelujah GOGO!」は若さあふれる青春群像劇ではあるけれど、素敵な大人の女性たちも(あ、後もう一人、キンさん(朝峰ひかり)もね。)とても輝いている公演でした。
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