ゆうは悠久のゆう?「虞美人-新たなる伝説-」

【2016-05-03】
スカステ視聴記録

戦後まもなく
春日野八千代と神代錦で上演された「虞美人」

本物の馬が出てきて主題歌の「赤いけしの花」(白井鐵造作詞・河崎一朗作曲)は大ヒット。

そして、宝塚歌劇60周年のときにも上演され、それがなつめさん(大浦みずき)の初舞台だった。

というくらいしか知らないのでスカイステージでの放送を見るのが楽しみだったのですが

あれ?

これってもしかしてその再演ではなく、新作だったのね。

で「新たなる伝説」って副題がついているのか~。

さすがに白井鐵造版は観ていないので最初はこれが新作だと気が付かなかったのですが

なんか曲がね。途中で、これって長谷川雅大じゃんと気づいてしまったのよ。

テンション上がらないんだよな~。この人の曲。

なんというかうまく説明出来ないんだけれど。

いちいち

「はぁ。〇〇でした~。」

で終わってしまうような曲調。

え~。すみません。伝わりませんね。

ワンパターン。というか展開していかない。というか。

これって、音楽的には、どう説明すればいいの~?

でもまぁお芝居自体はとっても面白かったです。

ゆうさん(真飛聖)は以前、私は宝塚から離れてしまった時に細々と観劇を続けていた母から

「有望な若手スターと友だちから聞いた」

とその名前と宝塚おとめの顔写真だけは知っていたのですが実際に見たのは宝塚観劇を再開しようと何も調べず、いそいそ観に行った花組公演「麗しのサブリナ」が初めて。

顔立ちがみきちゃん(真矢みき)によく似ているのだけれど当たり前だが、個性は全然ちがうのね。

花組特有のリズミカルさがあまり感じられない。

なので「麗しのサブリナ」のような小洒落たコメディよりも「虞美人」のような大きな芝居のほうがずっと良く似合います。

まぁ15年ぶりにみた宝塚「麗しのサブリナ」「EXCITER」は色んな面でショックだったんだけどね~。

蘭寿さん、花組にいなかったし・・・

それくらい調べて行けばいいのにね。我ながらバカだわ。

主演娘役さんは、この時まだこれでお金とっちゃいけないだろう!!というくらいのレベルだったし・・・

そんな事思ったトップ娘役さんは、生まれて初めてだったわよ。

でも、らんちゃん(蘭乃はな)はその後、ずいぶん努力したのだと思う。

蘭寿さんの相手役としては、とてもよかった。

蘭寿さんが思う存分踊ることが出来たのも思い切り良く踊れるらんちゃんが相手役なればこそだったと思う。

芝居もよくなったしね。

だけど、先にコンビを組んだゆうさんは、本当に気の毒としか言いようがなかった。

この後の退団公演「愛のプレリュード」もあまりといえばあんまりな脚本だったしなぁ

いや話がそれた。

虞美人だよ。

虞美人を演じた相手役あやね(桜乃彩音)は大人っぽい美貌を持ちながら聖少女というか、もはや白痴美?と言っていいほどの幼さをも内包しているなんとも不思議な魅力をもった娘役さんだ。

西洋の姫というよりアジアのコスチューム物のほうが似合う公家風な顔立ちで、そんなところもゆうさんとの相性が良いと思った。

これで退団だったのね。

残念だな~。

おっと、ゆうさんについても語らねば。

とにかく、ゆうさんは口跡も含めて芝居が、ざっくり大雑把な人だと思った。

ダンスも、そうだよね。

ちょっとリズムから外れる。

そして顔で踊る。

でも、そこがたっぷりとしていスターらしくって大らか。

だから絶世の美女を侍らせて戦場に赴くなんていうよく考えて見れば、おいおい・・・な英雄・項羽を演じるにはピッタリだわ。

最期の場面もああいった大見得がとっても似合う。

正直、悲劇性とか悲壮感というのはあんまり感じられないのだけれど。

生きた

戦った

愛した

という、人間の根源的な部分が浮かび上がってくる。

古代中国の武将を演じるにふさわしい悠久の大地を感じさせるスケールの大きな男役さんでした。

ほんとうの「ゆう」は余裕の裕らしいですけどね。

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