スカステ視聴記録
「PUCK」再演は12月の忙しい時期だったので観に行けなかった。
かなめちゃん(涼風真世)の「PUCK」は観にいってて、ゆりちゃん(天海祐希)のロバがやたら可笑しかったことしか覚えてなかったのだが、先日、千秋楽映像をCSで観たらいろんなこと思い出してきました。
とにかくかなめちゃんの声は特別な声だった。
だからこそ一番大切なものを使えなくするという罰が声を奪うだったのね。
まさきさん(龍真咲)だと、なんだかそれはちょっと違う感があったな~。
歌はちゃんと歌えていると思うけど、声の特別感はないもの。
やっぱりこの演目はかなめちゃんの為に書かれたものなのだと、当たり前のことだけど感じました。
かなめちゃんは、どういうわけだか芝居の会話が全く噛み合わない人だった。
ところがこれを逆手にとって人間と会話が噛みあうわけのない
妖精(PUCK)とか悪魔(天使の微笑・悪魔の涙やLOST ANGEL)とかを演じさせるとその特別な声と相まって、たちまちありえないはずの妖精やら悪魔の存在がリアルなものに思えてくるのだ。
なかでも「PUCK」は彼女の最大の当たり役といっていいと思うけれど
最初は生まれたばかりの妖精で会話がギクシャクしてるし、成長してきたところで声出し禁止となり最後は記憶喪失。
とにかく最初から最後まで、まっとうな会話を廃しているという徹底ぶりだった。
それから当たり役といえば「ミー&マイガール」のジャッキー。
これは人間なんだけれど、とにかく人の言うこと聞きはしない、いわゆるKYな人。
だから会話はまったく噛み合わなくってもOK。
「銀の狼」は記憶喪失で微かによみがえる記憶のかけらと殺し屋としての今の自分とのチグハグさが芝居の肝だった。
会話が全く噛み合わないだなんて普通に考えたら舞台人としては致命的な欠点のはずなのに演出家はアテガキによってその欠点を誰にも真似できない個性に変えてしまう。
そう、綺麗は汚い、汚いは綺麗。
アテガキこそ宝塚の醍醐味!!
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