観劇感想
いつもだと外箱まではなかなか手が回らなくてあんまり観に行かないのですが、「金色の砂漠」のジャーがあまりにも素敵だったキキちゃん(芹香斗亜)初の東上主演作ということで、ACTシアターまで行ってきました!連休は大忙し!
アクションステージという冠といい、アメコミ風のポスターといい、スーツアクターが主人公というあらすじといい、観る前に若干の不安はあったものの、意外に楽しめました。
世界観は西海岸が舞台のアメコミというより、もろ日本の特撮・戦隊ヒーロー物。
悪者が世界征服狙ってる割には、やってることがチマチマとせこいところなんて、ああいう子供番組のお約束。
おそらく齋藤先生の好み全開の作品なんでしょう。さすが押さえるべきツボは押さえてます。
フィナーレ、しっかりした歌唱力の娘役さん二人におもいっきりアニメ声で歌わせた時には
「おのれサイト~~~」
と一瞬軽い殺意を覚えましたが、あれはアニメ番組のエンディングという位置づけなのですね。
今回は笑って許すこととします。
出演者は観てて安心、達者な人達が揃ってました。
イブ氏(梅咲衣舞)まりちゃん(鞠花ゆめ)タソ(天真みちる)がコメディの達人であることは予想できたけれど、りりか(華雅りりか)まさ(矢吹世奈)までが、あんなにぶっ飛ばしてくれるとは!
えみちぃ(乙羽映見)も、とても真面目な顔してタソに寄り添い、変なことなど何もしていないんだけど、どうにもこうにも可笑しくってしょうがない。
タソえみちぃの並びは最高です。
そして、ひらめちゃん(朝月希和)こんなに上手かったんだ~~。
明るくっておバカで変な子だけど、観ててとっても気持ちが晴れ晴れしてくる。
相棒として最高のキャラですね。この芝居の敢闘賞は彼女だと思う。
おとくりちゃん(音くり寿)は外見から想像できないほど大人びて落ち着いた声と芝居。
この声と芝居に釣り合うような外見を手に入れるには、年齢から言ってもまだ少し時間がかかりそうなのですが、この先とても期待の持てる人ですね。
難しい役を演じることの多いちなつ(鳳月杏)にとっては、今回はあまり演りどころのない役だったかもしれません。
もうちょっと主人公との絡みがあるかと思っていたのですが…。そのあたりは全部ひらめちゃんが持っていっちゃいました。
でも、歌手デビューのシーン!かっこよかった!!
ショーならともかく、芝居でただひたすらカッコ良く歌うちなつさんというのも、ある意味レアかもしれない。
そして、そんなカッコイイちなつさんを隣に置いていても、輪をかけてカッコいいキキちゃんにもちょっとビックリした。
私どちらかと言えば「ちなつスキー」なのですが。キキちゃんにも心を動かされつつある今日このごろ。
花組に来たばかりの頃は「オーシャンズ11」くらいまで、なんだかカーテンの向こうから聞こえてくるようなくぐもった声だったのが、あれからどんどん上手になっていって、今では本当によく響く声。
こんなにも向上した人ってちょっと見当たらないわ。
きっとすごく努力しているのだろうなぁ。
本音を言えば、彼女の個性を活かした宝塚らしい素敵なラブストーリーか何かでの主演を見てみたかったけれど。
コメディはとても芝居の勉強になるし、こういう遊び要素満載の公演が出来るのも今のうちなのかもしれません。
なかなか楽しかったし、大満足!
とくに今、花組はみりお(明日海りお)体制の充実期に入ってきており、新トップ娘役のゆきちゃん(仙名彩世)も芝居が上手いし、もちろん今回出演したメンバーも素晴らしかった。
そんな人達に囲まれたキキちゃんには、2番手としていろんなタイプの役を演じ、さらにさらに成長する機会も時間も十分にあると思う。
パンフの齋藤先生の文章に
「歌劇の将来を背負うキキちゃん」
とあったように、その来るべき将来に向けて、きっとこれからも、さらなる積み重ねを、努力をしていくのでしょう。
今後がますます楽しみ。
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