観劇感想
「めぐり会いは再び」は第一弾も続編も劇場で観ています。
正直、どちらもふぅ~んって感じでした。
もちろん若い人向きのキュンキュン作品は大切!
それでオバちゃんが置いてけぼりになるのはしょうがないの。
さてさて今回は登場人物たちがほぼほぼ入れ替わり、まったく新しい恋と冒険?のストーリーとなっており、実を言うとかなり楽しめました。
面白かったわ!
初回からの登場人物であるレオニード♪はるこ様(音波みのり)と執事ユリウス♪みっきーさん(天寿光希)が締めるところは締めていてじわっと感動。
相変わらずゴチャゴチャっとした作劇ではあるけれど、すべてを見渡せる2階席から観たのが良かったのか、それほど混乱することなくストーリーもよくわかりました。
何より良かったのがせおっち(瀬央ゆりあ)、くらっち(有沙瞳)、ぴーすけ(天華えま)の芝居の良さ。
口跡も良ければ間合いも素晴らしい。
ゆりちゃん(水乃ゆり)は一人浮いているのがおかしくない設定なので上手いこと乗り切った。
可愛かったし、この役大好き!
しかもとてもよく出来た伏線を担っていて痛快でした。
あの奇っ怪な「変な絵」はそういうことだったのか!
傍から見たら役にも立たないような事になんの打算もなくひたすら打ち込んでいるのってすごく素敵です。
そんなところから思い寄らない大発見があったりするものなのよ。
すぐ目先の利益だけをみて予算の有無を決めないでよ!って今はもう関わりがなくなっちゃったけど色々苦労している先生方を知っていたから思うの。
ちなみに私の出身地のお国言葉にはこういうどーでもいいことに血道をあげる人を表す言葉があります。
言葉があるっていうのはそういう人が多い土地柄ってことよね。確かにゾロゾロいるかも〜。
それはさておき、とにかくことちゃん(礼真琴)を含めてこの探偵事務所周りがテンポよくって楽しいの。
後半なんて婿選びの大騒動でもうぐちゃぐちゃ~ってなっても、せおっちがよく通る声と絶妙のタイミングで芝居の集中を取り戻してくれる。
たよりな~い感じの悩めるぴーすけもなんとも面白い。一番笑った。
つまりリケジョゆりちゃんだけでなく、この探偵事務所の全員、周りから見ればどーでもいいことに全力で血道を上げている人達なのだ。
大好きです!
そしてみんな本当に上手かったわ~。
それから、ほのかちゃん(小桜ほのか)&かりんちゃん(極美慎)のカップルも良かったな。
妖艶なほのかちゃん、鼻持ちならないかりんちゃんという一見計算高い悪役なんだけれど内に秘めたひたむきな愛が最後に浮かび上がってきてぐっときました。
かりんちゃんは特に芝居巧者というイメージではないのですが、なんとも言えない繊細さを持ち合わせていますよね。
いい役でした。
あかさん(綺城ひか理)のイケオジっぷりも素敵です。
自分が国にとって最も役に立ってきた男だという高いプライド。
しかし、それでも王から愛されていないという心のくすぶりが色気となっていました。
あかさんの知性的で柔らかな個性によって、ただの憎々しい悪役にならないのが好き。
この軽い作品に切なさが加えられます。
気がつけば若手と思っていた人たちがしっかり物語を引っ張っている。
時代は移り変わっていくんだなぁ。
そうそう。観た日はコアな組ファンの少ない貸切公演でしたが、せおっち、くらっちが最後に舞台をはける時には自然に大きな拍手が起こってました。
大団円お見事!お幸せに!っていう拍手だったわ。
おかげで広げた風呂敷もきちんと収まり、全体的にはなかなか良くできた話でした。
芝居の終わり方も好き。
それをすっかり忘れてたよ!という急転直下の瞬間にTo be continued。
怪盗ダート編は次週放送!
っていう金田一少年の事件簿とか名探偵コナンみたいなアニメ番組の感じがおもしろかった。
もっとも、ここでスパッと終わらせるのが粋なのよ!
この続編だなんて絶対に作らないでね。お願いします。
でも小柳先生のことだから怪盗ダート♪ありちゃん(暁千星)編とかやりそうな気がしてならない。
とても良い演出家さんなんだけれどなぁ。
なんとなく相容れないところがあるのはきっと私との相性の問題なんだろうけど。
というのも今回もこれだけはちょっと~って思ったことが。
座長♪みきちぐさん(美稀千種)に延々と「エルムクラート様はコスモなんちゃらでどうたら」だの、「みやちゃん王子のお付きだったキキちゃん(もう役名まで覚えてない)もなぜかご一緒で~」なんてくどくど説明させるくだり。
知らない人にとってはまったく意味不明で冗長なだけだろうし、いや、前作見てた私だってそれって何のことだっけ?って思ったよ。
一生懸命セリフの内容を聞きとっても結局なんの繋がりも回収もなかったし。
しかもその後続く座員の「研究科6年だけど知らない」なんていうセリフがあまりにも内輪受けにすぎる。
知っているリピーターでも2度目の観劇ではもう笑えないぞ。
微妙に滑るしかないセリフをもらった若手(ごめん。ショックで誰だか確認できなかった)が本当に不憫。
もっと身になるセリフを言わせてよ~~~!
ここは後で殿堂を見てはじめて前作とのつながりがわかるような小道具が仕込まれているくらいが粋なのに。
ほら「今夜、ロマンス劇場で」では健司の部屋に貼ってある映画のポスターに色々仕込まれてたじゃん。
あーゆーのがいいの~。
おぉそうだ!
レオニードは第二弾と同様、今回もマリオからの手紙で仲直りしてたじゃない!
こんな風に前作を知らない観客でもそれほど意味不明にならずさらっと決着がつき、もちろん観てきた人ならムヒムヒわかる。
これくらいの匂わせ方で十分だと思う。
まぁ、前回はちょっと苦し紛れな感じはあったけれどね。
なんで手紙だけで本人こないのよ!って言ったって、なにせマリオ様(涼紫央)はすでに退団してたから。
でも、こんな風にもう一度同じ手が繰り返されれば洒落たくすぐりにもなる。
初回から見ている観客ならレオニードは大好きなマリオ様とずっと犬も食わないすったもんだを繰り返し、それでも長く愛し合って今に至っているんだろうな~って感じられる。
そしてそれが、はるこさんの来し方と重なってなんだかうるうるしてきちゃった。
前回同様みっきーが手紙を代読すると、はるこさんの表情がパァ~~~っと薔薇色に輝いて。
上級生となっても変わらず愛らしく、そしてものすごく美しかった。
最初はこういう軽い物語で大好きな方たちが退団になるなんて思ってもみなかったし、残念にも思っていたのよ。
でも、この作品でお二人が卒業されるのはとても意味のあることだったんだなぁ。って実感しました。
そんなわけで最終的にはほっこりと満足な観劇でした。
お芝居は若者向けでしたが、ショーはオールドファンは特に楽しめる内容。
もうここは、はるこ様のダンスを思う存分堪能しました。
2階席の奥からでも私のはるこセンサーは精度100%でしたよ。
オペラなしでもすぐわかる。
背中がきれい。
愛らしいのに大人っぽくて迫力もある。
そしてダンスに情感がある。
もう大好き!
ことちゃんと踊る場面もあってすごく嬉しかった。
ぴーすけやあかさんとも一緒にたくさん踊ってて、誰と組んでもしっくり。
娘役として最高に美しい姿を目に焼き付けました。
みっきーのエトワールもこのスパニッシュショーに相応しい熱さと迫力で立派でした。
宝塚観劇を復活させた時、割りとすぐに覚えてその活躍をずっと見てきたお二人の卒業。
寂しいけれど、たくさんの素晴らしいものをいただきました。
本当にありがとうございました。
コメント