LIVE配信感想
宝塚観劇を再開後は公演期間中に劇場に行けるのは1回のみ、あとはLIVE配信鑑賞なので若手を知る機会は昔に比べてずっと減ってしまいました。
そんな中、新人公演の配信は本当に有り難い。
といっても前回の「柳生忍法帖」は見ることが出来なかったため星組新人公演のLIVE配信視聴は今回初めてです。
本公演を1度観ているとはいえ、もう全然知らない人だらけでビックリした。
そっか、この演目で初舞台を踏んだ研究科1年生も加わっているんだもんね。
時の流れは早い。
では、主演二人と特に印象に残った人の感想を!
ルーチェ♪さんちゃん(咲城けい)
優しくって爽やか。
そして高めの声がきれい。
冒頭の歌は緊張のせいか少々不安定ではありましたが、よく考えたらことちゃん(礼真琴)のために作られたの曲だったのだ。
だって、ちょっと音取りしてみたら、なんと上のドまで上がっていたんだもん。
一般的に男役の最高音ってシ♭くらいなのに。
しかも下のドから1オクターブ上のドまでワンフレーズの中で一気に上がっていくんだわ。ひゃー難しい!
さんちゃんはその難曲をとてもきれいな声で低音から高音まで歌っていました。
地声を張り上げたり、弱いファルセットに抜けたりもせずにそのまま上がっていけるのってすごいことよ。
これがなんなく出来る人は男役として有利。
数年後には歌唱面でもきっと大きく花開くと思うわ。
アンジェリーク♪うたちゃん(詩ちづる)
か、可愛い!
プンスカするとさらに可愛い!
本役のちっちゃな双子兄妹が印象的だったこともあり、その延長線上のような愛らしさでした。
「ジェントル・ライアー」では同じような跳ねっ返り気味の若い令嬢でももう少し落ち着いた雰囲気があったので、今回のアニメに出てくるような愛らしさってきっと役作りなのね。
どちらかといえばジェントル・ライアーの方が好みだけれど、この学年にしてそうやって自在に雰囲気を変えられるって素晴らしいわ。
もっと大人っぽい役だとどうなるんだろう。見てみたい。
歌も芝居も破綻なくしっかり男役を支える実力もあるようで将来が楽しみな娘役さんです。
オンブル♪もえか(鳳真斗愛)
今回最も私の心を捉えて離さなかったのがオンブル♪もえか(鳳真斗愛)です。
もともと本公演でもオンブルが大好きではあったのですが、あかさん(綺城ひか理)とはまた違うアプローチでとても魅力的でした。
特徴的な濃い目のお顔立ち。
黒い衣装も似合っていてダークな雰囲気が立ち上がります。
芝居もすごく上手い。
あぁそうだ!「龍の宮物語」をスカステで見た時、書生仲間で芝居が上手いなって思った人だわ。
まだ舞台では彼女のことをはっきりと認識をしたことがないのですが、スカステを見てブログに感想メモしておくとこういう時助かるんだわぁ。
しかも歌いだしたらびっくりの迫力じゃありませんか!
ものすごく圧のある歌声。
怨念渦巻くオンブルから放たれる負のエネルギーが凄まじくって、もう身体も魂も全部吸い込まれる感じ。
かっこいい!
悪役フェチの血が騒ぐ!
しかしハッピーミュージカルの大団円とはいえこの人を生かして辺境に行かせたらやばいんじゃないかい?
隣国と密約、軍備を密かに整えていつか絶対王都に攻め込んでくるよ!
その時の高笑いが聞こえるようだ。
ルーチェは怪盗ダートなんか追いかけてる場合ではな~い。
こんなふうにその演技から想像を膨らませてくれる人って大好き!
あ、あかさんのオンブルはね、辺境で武人として見事に働き隣国の脅威から守ってくれると思う。
で、反対側の辺境から別の国が侵略してきた時、颯爽と軍を率いて駆けつけ王都を開放するのよ!
今度こそ王に厚く遇されるんだけれどそれを辞して、自ら荒れたその反対側の辺境に赴くのだ。くぅ〜カッコいい!
と妄想してます。
もえかさん(もえかちゃんとは恐れ多くて呼べない)まだ102期生なのか。
すごい人だなぁ。
星組には若手でも天路そら、遥斗勇帆、蒼舞咲歩、夕陽真輝、朱紫令真と芝居巧者の男役が無限にいるわ。
わちゃわちゃした話も楽しいけれど、今度はこういう役者たちが活躍する重厚な物語とか観てみたいな。
アージュマンド♪なのちゃん (乙華菜乃)
箱推し106期生なのちゃん。
依頼人。つまり、レグルス探偵事務所に騒動を運んできた人。
密命を抱え、慣れない令嬢のドレスを着て奮闘する健気な召使いです。
垣間見えるドキドキ感とそこから生まれるちょっとした挙動不審がとっても上手い!
なかなかのコメディエンヌでした。
演技の中で喜劇が一番難しいと言われています。
しかも特に変なセリフがあるわけではなく本人にしたらただ一生懸命なだけなのに、そこから生まれるおかしみを表現できる手腕はなかなかのものだと思うわ。
もともと愛らしいお顔立ちだしメイクも上手になってきたんじゃないかしら?
今度は歌も聞いてみたいな。
ワチャワチャ芝居の難しさ
とにかく大人数が同時にいろんなことを演じていて、とんでもない賑やかさのこの芝居。
新人公演で人数が少なくなればもっとスッキリして本来の物語が立ち上がってくるんじゃないかって思ってたんだけど~。
人数半減で各々の姿はわかりやすくなったものの、その空いた空間を個々のワチャワチャだけで埋めるのは経験が少ない下級生だとなかなか難しいものなのね。
最もおかげでLIVE配信ではいろんな人が映ったし、おぉ!っと印象に残った人も多かった。
レグルス探偵事務所の4人♪かのん(天飛華音)、のぞみん(星咲希)、つんつん(稀惺かずと)、まりな(綾音美蘭)はとっても上手い。
つるぎ(御剣海)、あいみ(大希颯)の美丈夫ぶりも目を引いたわ。
従僕(時々一座)の二人、きょーちゃん(咲園りさ)、すずちゃん(詩花すず)が可愛かった。可愛いのに表情が面白い。
ポルックス♪ひよちゃん(藍羽ひより)はよく見れば大人びた美しさ。
一方でレオニード♪ゆりちゃん(水乃ゆり)、ユリウス♪ゆずはくん(紘希柚葉)は積み重ねてきたものが前提の役だから新人公演で感動レベルにまで持って行けというのはちょっと酷だったかも。
しかもレオニードの見せ場のセリフがルーチェとユリウスの小芝居と完全に同時進行で視線が二分割。本舞台と花道で演じられていて両方同時には見ることが出来ないという謎演出!
うぅぅぅ。これは可哀想。
この演出、劇場で観た本公演でははるこ様(音波みのり)ガン見で全く気が付いてなかったけど、そういえばレオニードのセリフの時、上手の方のお客さんが笑っているような気がしたんだった。こんなことになっていたとは。
二人とも卒業公演の大切なシーンなのに、全観客の視線と集中を得ることができないなんて…。
小柳先生の視線誘導についての不満はこれまでさんざん言ってきたからもうこれ以上くどくどは書かないけれど、ほんとにこれは悲しかった。
今は新人公演が確実に上演出来るかどうかわからないという状況だから、もう少しじっくりセリフを味わえる作品を若手メンバーに経験させてほしかったなぁって思っちゃった。
どうかバウ・ワークショップを全組展開で!
お願いします!
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