壬生狼たち「壬生義士伝」3

【2019-08-17】
観劇感想

同じ新選組の中でも派閥みたいなのがあるのね。

なにせ日本史弱いので…。全然知らなかったけれど。

いやさ。恥ずかしながら、近藤と土方と沖田くらいしか知らないのよ。それと山南さん。つまりは「星影の人」の記憶のみ。

あ、斎藤一は知ってる。大河でオダギリジョーがかっこよかったから。

土方の凪様(彩凪翔)、斎藤のあーさ(朝美絢)、沖田のひとこ(永久輝せあ)。

もう、登場シーンからドキドキしちゃった。

ビジュアルはもちろんのこと歌がかっこいい!

高いパートはひとこが歌っているのかしら?

サビの部分がかなりの高音。

デーモン閣下のシャウトみたいなハイトーンボイス。

日本物なのに斬新!

とにかくかっこいい!!痺れる~~~~。

新選組、最初は宴会ばっかりしていますぅ。

しかも、その2度の宴会で近藤周平のるい君(眞ノ宮るい)を2回も紹介してくれるもんだから、わたしゃぁもう心のなかでひょぇ~~~~と悲鳴をあげておりましたよ。

だって2500人ものお客さんを前に一人るい君が紹介されるんだよぉ~~。

みなさまどうぞお見知りおきを。今後ともどうぞ、るい君をよろしくお願いいたします。って思わず親戚のおばちゃんモード発動。

宴会で伊東甲子太郎のカリさん(煌羽レオ)に呼ばれ盃をうける周平君。

カリさん切れ者で底知れぬ感じです。恐ろしいけどかっこいいわ~。

新選組の中にも色んな不協和音があることが見え隠れしています。

緊張する~~~。

前髪姿も初々しいるい君はにわさん(奏乃はると)演じる年の離れたお兄ちゃん谷三十郎のためにも近藤勇の養子としてなんとか期待に応えたいと本当にひたむきで。

お兄ちゃんの言動を必死でフォローしている健気な弟。

貫一郎のだいもん(望海風斗)に稽古をつけてもらうところ。

もちろん全然かなわないんだけれども、けっして腰抜けではない。

コテンパンに打ち据えられるさまはなかなか迫力があります。

表面的には明るい感じで始まった新選組のシーンでしたが介錯失敗はけっこうな残虐度ですごかった。

無念腹を切らされるあすくん(久城あす)の白装束ザンバラ髪。怨念の塊となった動きが凄まじい。

絶対濡れ衣だよね。

無実なのに武士だから腹を切ってるのにちゃんと介錯もしてもらえないんじゃぁ口惜しくて死んでも死にきれない。

そんな背景がしっかり感じられる。

さすが!あすくん。

乱れていても足の運びや所作がちゃんと日本物の様式美。

うまいなぁ~。

介錯失敗しちゃったのはへなちょこ兄さんの谷。

「斬っちゃいましょうか」

さらりと言い放つ沖田のひとこが美しいだけにどこか精神アンバランスで。

こういう沖田総司もありだなぁ。

そうだよなぁ。人を殺すのが日常だもんなぁ。

折しも伊東甲子太郎暗殺を目論む新選組幹部たち。どさくさに紛れて谷も殺すことに。

しれっと谷を突き刺し、新選組の浅葱色のだんだら羽織で血を拭いつつ刀を引き抜くあーさの虚無の表情がタマラン。

兄を殺された眞ノ宮るい君。

誰が犯人か真相は知らないけれど賢い子だもの、普段の言動見てりゃぁ察しがつくわ。

かなうはずもないとわかっているのに沖田らに斬りかかる。

その鋭さに驚いた。

まるで血を吐くような憤怒の叫びと悔し涙で身をよじる姿。

るい君の芝居勘なかなかのものだわ。

この場面の緊迫感がぐっと引き締まったように感じられました。

こうして切腹させられる小川や兄を殺された周平が描かれることで人の命が奪われることの無念が表現されていると思う。

また新選組幹部たちの「それが日常ですが何か?」的な感覚も強調されています。

だからこそ、その罪と哀しみを知りながらも家族のために人の命をいただく吉村貫一郎の静かでかつ容赦のない姿が胸をうつ。

だいもん、口元は柔らかく微笑んでいるのにいつもどこか悲しそうなんだもん。

あれは己の罪を知っている人の佇まいだわ。

大政奉還で幕府という拠り所を失った新選組。

乱世の時代だから剣の力で百姓から侍になり上がれるはずだった。

しかし、まさか侍の世が終わろうとは。

まなはる(真那春人)の近藤勇はそんな歴史のうねりを見極められなかった古風で優しい、割と普通の男感がよかった。

貫一郎とみよのお見合いの場面が好き。

本当だったら新選組は抜けられないはずなのに、貫一郎の行く末をなんとかしたかったのね。

土方の凪様がかっこ良すぎて、最近の私の口癖は「あぁ、めんどくせぇ」です。

「おもさげながす」も言ってみたいけど、うまく口が回らないのよ。

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